デロンギといえば、高品質のエスプレッソマシンやオイルヒーターなどで有名なイタリアのメーカー。イタリアらしくデザイン性が高い製品が多く、デザインや品質にこだわるユーザーに人気があります。そんなデロンギが、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」を発表。6月8日から世界に先駆けて日本で先行発売します。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    オブジェのようなたたずまいがカッコイイ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」

シンプルながら高級感あふれるデザインの多機能オシャレ家電

空気清浄機能付きファンは、その名の通り空気清浄機能を搭載したタワー型の扇風機です。本体は高さ85cmのタワー型で、本体上部から吸い込んだ空気を内部フィルターで清浄し、扇風機のように送風します。さらに、本体内部には1400Wの高出力ヒーターも内蔵しており、寒い時期は温風ヒーターとしても利用可能。「ファン」という名称ながら、扇風機、空気清浄機、ヒーターの3役をこなす優れものです。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    世界先行発売を発表したデロンギ・ジャパンの代表取締役社長、杉本敦男氏(写真右)と、デロンギ本社のコンフォート部門研究開発ディレクター、エンリカ モンティチェッリ氏(写真左)

特徴のひとつがデザイン性の高さ。見た目は本体中央に流線型のくびれのある筒型で、シルバーの高級な質感と相まり、いわゆる一般的な「扇風機」のような生活感がありません。

本体にある操作系は電源ボタンのみで、ほとんどの操作はリモコンから行うため、余計な凹凸のないミニマムで都会的なデザインです。ちなみに、本体の高さは85cmで大人の腰あたりまでありますが、設置面積は幅、奥行きともに27cmと、そこまで場所をとりません。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    くびれのある流線形状が美しい空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」。ファンというよりも未来的なスピーカーのよう

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    本体に配置されたボタンは電源ボタンのみ。タイマーや風量などの情報は本体前面のディスプレイに浮かび上がります

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    本体上部にリモコンを収納するくぼみがあり、リモコンを無くすこともなさそうです。風量調整や首振り機能、タイマー入/切などの機能が操作できます

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    本体背面上部には持ち運び用のハンドルも配置。本体重量は7.2kgあるので「軽々と移動」とはいきませんが、部屋内程度の移動はしやすそうです

扇風機なのに「包み込むような風」を実現

本製品の魅力は見た目だけではありません。空気清浄機能付きファンのこだわりのひとつが「包み込むような風」、「やさしい風」の実現です。

一般的な扇風機は、安いものだと数千円で買えますが、近年は数万円もする「高級扇風機」が人気です。高級扇風機の特徴のひとつが「ムラのない風」を作り出す技術。一般的な数千円の扇風機は、風を竜巻のように渦状に吹き付けます。このため、どうしても送風する風にはムラがあり、長時間風を受けると疲れやすいといわれています。

一方、高級扇風機は鳥の翼の形を模した羽根を採用したり、風速の異なる風を一度に作り出せる2重構造の羽根を採用するなど、さまざまな工夫で「ムラのない」疲れにくい風を実現しているのです。

デロンギの空気清浄機能付きファンは、独自の「3Dコンフォート・エア テクノロジー」で快適な風を実現しています。これは、なめらかに曲がった物体に風を当てると、風はその物体に沿って曲がるという「コアンダ効果」を利用した技術です。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    コアンダ効果とは、液体や気体などを「曲げる」ことができる仕組みのこと。風も滑らかなカーブに沿わせることで曲げることができます

具体的には、本体上部から取り込んだ風を一度、本体背面に送風し、なめらかなカーブを描いた背面パネルにぶつけます。ぶつかった風は、背面パネルの左右から本体側面のカーブに沿って「コアンダ効果」を利用して左右から前面に誘導。さらに、本体前面で左右2つの風が衝突することで、風のもつ渦やうねりがなくなり、均一でなめらかな風となるそうです。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    本体上部の穴から吸い込んだ空気を、背面パネルに当てて、後部スリットから風を吹き出します

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    本体背面から吹き出した風は、本体側面のカーブを伝って本体正面でぶつかります。送風口は本体背面側にもかかわらず、本体正面に強い風を感じるのは不思議な感覚です

  • 【動画】空気清浄機能付きファンと一般的なタワー型扇風機の風の違いをスモークで可視化した動画。空気清浄機能付きファンは空気のムラが少なく、前面に均一に広がるように風が送られているのがわかります
    ※音声が流れますのでご注意ください

実際に風を受けてみると、身体の一部だけに風が当たりがちな一般的な扇風機と異なり、身体全体をふんわりと包み込むような風を感じます。デロンギが従来の送風機と比較実験をしたところ、本製品を使用した人は、唾液に含まれる「ストレスを感じると分泌される成分」が31%減ったそうです。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    ファンから1.8mほど離れた場所で、実際に風を受けてもらいました。体験したマイナビニュース・デジタルの林編集長いわく「優しい包み込まれるような風で眠くなる」だそう

本体には「DCブラシレスモーター」を採用。これは、多くの高級扇風機に採用されるモーターで、従来のACモーターよりも安定して細かく回転数を制御できるのが特徴です。このため、涼風なら10段階、温風なら6段階の細かな風量調整が行えます。運転音も最小風量の「1」ならば19.5dBと、静音性が高いのもうれしいですね。

空気清浄機能も魅力的

空気清浄機にもさまざまなタイプがありますが、デロンギの空気清浄機能付きファンはフィルター式を採用しています。本体上部から取り込んだ空気を、360度から空気を取り込める独自構造のフィルターで清浄化し、キレイになった空気を送風する仕組み。

デロンギによると、第三者試験では、空気中のPM2.5や花粉、バクテリア、カビ、アレル物質など、空気中に漂う有害物質を約99%除去できたそうです。また、本体が85cmと高いため、いち早く空気中を漂う有害物質を除去できるそう。背の低い製品よりも、約11%もすばやく空気中物質をキャッチできるそうです。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    360度のラウンド型フィルターで微少粒状物質をスピーディーに効率よく除去できるそうです

フィルターは定期的な交換が必要で、交換フィルター価格は4,980円。一日8時間使用する状況だと約9カ月が交換の目安。ちなみに、フィルターは本体上部のフタを開けて、簡単に交換できます。腰をかがめることなく交換できる手軽さも魅力的です。

  • デロンギ、空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」発表会

    フィルター交換は本体上部から。腰をかがめる必要もないので、交換に負担がありません

ただし、本製品の空気清浄能力は9畳(30分)程度。広いリビングの空気清浄をこれ1台でまかなうのは少々厳しいスペックです。広いリビングなどに設置する場合は、ソファーの近くなどに配置して補助的に使用するのが良さそうです。

空気清浄機能付きファン「HFX85W14C」のメーカー希望小売価格はオープンですが、市場想定価格は59,880円(税別)とそこそこ高価格。とはいえ、扇風機、空気清浄機、ヒーターの3役。さらに、送風機能の高い技術やデザイン性の高さを考えれば、十分に魅力的だと感じました。