説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリを残すか削除するか迫られましたが、残しておく意味は?』という質問に答えます。

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アプリを起動したところ、「"○○○○"はアップデートの必要があります」というダイアログが現れたのですね? 確かに、ここには「このバージョンのiOSで使用するにはデベロッパによるアップデートが必要です」と書かれているものの、なぜそうなったかの事情が書かれていないため、不安になるかもしれません。

アプリを起動できずにダイアログが現れた理由は、現在iPhoneで利用しているオペレーションシステム(iOS 11)が「32ビットアプリ」のサポートを終了したためです。起動しようとしたアプリは、機種変更前から利用していたアプリですよね? iOS 11から「64ビット」アプリしか利用できなくなることが決定されていたため、iOS 10では32ビットアプリを起動すると64ビットアプリへのアップデートを促すダイアログが表示されていたのですが……

ともあれ、そのダイアログが現れたアプリは、最新版(64ビットアプリ)にアップデートしないかぎり起動できません。「デベロッパによるアップデートが必要」と書かれているとおり、エンドユーザの立場ではどうにもなならず、アップデートを待つのみです。

そのアップデートですが、ほとんど期待できません。ダイアログが現れて起動できなかったということは、少なくとも半年はアプリのアップデートが行われていなかったことになりますから、まめにメンテナンスしているとはいえません。App Sroreでそのアプリを検索しても、ヒットしないのではないでしょうか? アプリはディスコン(開発終了/サポート打ち切り)になった可能性大で、今後64ビット版にアップデートされることはまずないでしょう。

起動できないアプリはストレージの空き容量を圧迫するだけですから、iOS 11の公開から半年以上経過したいまとなっては、残しておく意味はありません。削除すべきですが、心配な場合はパソコン(iTunes)と同期して大切なデータやファイルがアプリに含まれないことを確認したうえで削除することをお勧めします。

  • iOS 11の公開から半年以上経過したいま、長い間更新されていないアプリの64ビット版が登場する可能性はほとんどありません