説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 11で起動できなくなった32ビットアプリは削除すべき?』という質問に答えます。

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確かに、iOS 11では32ビットアプリを利用できません。iOS 10からソフトウェアアップデートを実行する形でiOS 11へ移行すると、それまで利用していた32ビットアプリはストレージ上に残りますが、タップすると「"○○○"はアップデートの必要があります」というダイアログが表示され、起動に失敗します。

2013年に64ビットプロセッサ「A7」を搭載したiPhone 5sを発表してからというもの、App Storeで新規公開されるアプリには64ビット対応を義務付けるなど、Appleは着々とアプリの64ビット化を推進してきました。2016年9月には、ついにApp Storeで32ビットアプリの公開が停止され、通常のルートで32ビットアプリをダウンロードすることは不可能になっています。

iOSはダウングレード(古いバージョンへ戻す処理)はできない仕様のため、今後iPhoneでは32ビットアプリを実行できません。iOS 11にアップデートすると、32ビットアプリは"起動できずただストレージ上にあるだけ"の存在となります。

だからといって、いきなり削除するのは早計です。起動はできなくても、パソコン(iTunes)と同期することにより、アプリが管理している文書(ファイル)を取り出すことができるからです。アプリを削除すると、アプリが管理している文書ごとストレージから抹消されますから、その前にiTunesで取り出しておきましょう。32ビットアプリの削除は、取り出すべき文書もない段階になってからでも遅くありません。

iOS 11で32ビットアプリは起動できなくなりますが、管理している文書をiTunesから取り出すことはできます