日本は空前の高齢化社会となっている。もちろん、高齢者が健康でいるのが一番だが、介護・介助が必要になる方も増えるだろう。また、障がい者や傷病を負った人にも手助けは必要となる。

そうした状況に対して、介護福祉士は足りない。介護士は国家資格であり、この資格を取るためには相応の実務経験や福祉系の学校に通う必要がある。また、資格取得後は本職として福祉施設などで働くことが多い。

ただ、これでは増加する高齢者や手助けが必要な障がい者、傷病者を社会で支えるのは難しい。施設には入所していなくても、公共交通機関などで、手助けを必要とする方は意外と多い。そうした方々に対し、コミュニケーションを取りながら手助けをするサービス介助士が注目され始めている。

資格が取得しやすいサービス介助士

サービス介助士の最大の利点は、誰でもなりやすいこと。介護士と異なり国家資格というのではなく、座学と実技、そして検定を受ければサービス介助士となれる。そして、本職や学業を続けながらサービス介助士として活動できる。いいかえると、サービス介助士で収入が生じるわけではないが、困っている方や手助けを必要としている方に対して、コミュニケーションする知識が得られる。いわば“ボランティア”だが、これからの超高齢化社会には必要な存在だ。

バリアフリーでないと移動が困難になる車いす

また、職能のひとつとして役に立つ。たとえば鉄道の職員。多くの乗客がある鉄道では、手助けを必要とされる方が少なくない。そうした方々をサポートできる駅員や車掌がいれば心強い。また、空港でも需要があるだろう。空港はターミナルが広い。もちろん主要空港には動く歩道やバリアフリーが充実しているが、地方空港のなかにはそうした設備が乏しいところもある。

サービス介助士は、そうした場面をヒューマンパワーでサポートするというものだ。そんなサービス介助士の講習を見学してきた。