説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「5s」はそろそろ引退させるべき?』という質問に答えます。
***
2013年9月に発売された「iPhone 5s」は、2018年6月現在も販売されている現行モデルです。ここ日本では、Y! mobileとUQ mobileでいまなお扱われており、4インチサイズで持ちやすく価格も手ごろなことから安定した人気があります。
その長寿の理由としては、iPhoneの頭脳にあたるSoCに64ビットアーキテクチャの「Apple A7」を搭載していることが挙げられます。iPhone 5sとともにデビューしたiOS 7では、はじめて64ビットアプリの動作がサポートされ、以降Appleはアプリの64ビット化を推進してきました。64ビットアプリを動作させるには64ビットSoCが必須ですから、32ビットSoCを搭載していたiPhone 5s以前のモデルは動作対象外ですが、iPhone 5sならば支障ありません。
最新の64ビットSoC「Apple A11 Bionic」を搭載したiPhone XとiPhone 8/8 Plusに比べると、iPhone 5sの処理性能は見劣りしますが、メールの送受信やSNSアプリの利用などスマートフォンとしての基本的な活用にはじゅうぶん耐えます。前述したとおり64ビットアプリも動作しますから、アプリのアップデートにもついていけます。
問題はiOSのアップデート(メジャーバージョンアップ)の対象になるかどうかですが、WWDC 2018の基調講演において、2018年秋公開予定の「iOS 12」でiPhone 5sも対象機種になることが明らかにされました。少なくとも2019年秋までは、最新のiOSで使い続けることができるわけです。
ただし、内蔵されているリチウムイオンバッテリーの寿命には限りがあるため、バッテリーの交換は検討すべきかもしれません。iPhone 5sは、iOS 11.3で追加されたバッテリー寿命チェック機能に対応しませんが、「Battery Life」などのサードパーティー製アプリを使えば劣化度合いを調べることができますから、Apple Storeへ持ち込む前に確認してみましょう。
※:初出では、iPhone 5sがバッテリー寿命チェック機能に対応している旨記載がありましたが、誤りです。お詫びして訂正させていただきます。