おやすみモードや通知管理の改善、新しいアクティビティ管理機能「Screen Time」は、スマートフォン中毒と呼ばれるようなモバイルデバイスの使いすぎを防ぎ、生産的なデバイス活用を手助けする。今年はGoogleやMicrosoftもデジタルウェルビーイング機能やペアレンタルコントロール強化を発表している。モバイルプラットフォームを開発するベンダーが総出で、ユーザーのスマートフォン使用を抑える機能を用意しなければならないぐらい、スマートフォンの使いすぎが深刻な問題になっているのだ。

  • 「Do Not Disturb during Bedtime」で、翌朝にアンロックするまでディスプレイを暗くし、ロック画面の通知を非表示にして睡眠の質を高める

  • アクテビティレポートで1日または週ごとのアプリに費やした合計時間、通知の受信件数、iOSデバイスを手にとる頻度などを確認、子どもが保護者とアクティビティデータを共有するセットアップも可能

そうした中で、ユーザーが顧客であるAppleの存在は特別である。これはプライバシー保護の問題と同じで、ユーザーがより広告に触れる機会を作りたい広告ベースの企業だと、どこまでユーザーのための対策を徹底できるのか疑問符が残るからだ。その点、Appleは対策を徹底できる存在である。

通信のエンドツーエンドの暗号化やモバイルデバイス内での機械学習処理など、過去にはAppleがわざわざ不利なことをやっていると見なされた時期もあった。しかし、連邦捜査機関による個人情報へのアクセスの問題などが表面化して、ライバルもAppleに追随した。スマートフォン中毒対策の取り組みはまだ始まったばかりであり、このまま問題が解消に向かうかもしれない。だが、逆に根強く残る場合は、関連するビジネスの不利益になるようなより厳しい対策が必要になる。そうなるとユーザーのための対策を徹底できるAppleへの期待が高まる。