Apple WatchとApple TVに関しては、watchOS 5とtvOS 12以外に重要な発表があった。
デューク大学、アラバマ大学、オクラホマ大学などで、今秋から学生用IDカードの代わりとしてApple Watchを使用できるようになる。図書館や寮、カフェテリアなどを利用する際に必要なIDカードは、学生が常に持ち歩く身分証明であり、キャンパスでの支払いに使うマネーカードでもある。Apple Watchに登録できたら、カードと財布を持ち歩く必要がなくなる。いずれ運転免許証やパスポートもApple Watchで持ち歩ける日が来ても不思議ではない、と思わせるニュースである。
Apple TVについては、米2位のケーブルTV事業者Charter Communicationsが、Spectrum Cableでケーブルボックスの代わりにApple TVを選択できるようにすることが発表された。米国では多くの家庭がケーブルTVサービスを契約してテレビを楽しんでいる。お茶の間のテレビの横はケーブルボックスの定位置であり、ネットストリーミング・デバイスはケーブルボックスで利用できないコンテンツにアクセスするためのプラスαであり続けた。それが、ついにケーブルTV事業者にアプリを作らせ、ケーブルボックスの座を奪ってしまったのだ。NetflixやAmazon Prime Videoなどストリーミングサービスの成長で、ケーブルボックスよりもApple TVで長い時間を過ごす契約者が増加し、契約者にケーブルボックスを選ばせるよりもApple TVを活用すべきとCharterは判断したのだろう。まだ米国で最初の例に過ぎないが、エポックメーキングな出来事である。