毎年恒例となっているアップルのアプリ開発者向けイベント「WWDC 2018」(世界開発者会議)の開幕が6月初旬に迫りました。WWDCでは、iPhoneやMacなどの新OSの概要や新機能が発表されるほか、新しいハードウエアがお目見えすることも多く、注目度の高いイベントとなっています。

昨年のWWDC 2017では、最新バージョンのiOS 11で「ARKit」を搭載し、AR(拡張現実)に本格対応することを発表。現在では、さまざまなAR対応アプリが続々とリリースされるようになりました。

  • 2017年に開かれた「WWDC 2017」。iPhoneやiPadを本格的なARに対応させる「ARKit」の発表が目玉の1つとなった

今年のWWDC 2018でも、ARに関する新たな発表がなされるのは間違いないとみられますが、実は今年の3月末にリリースされた最新のiOS「iOS 11.3」では、ARKitのバージョンが1.5にアップデートされています。このバージョンでは、新たに垂直な面の存在を認識できるようになり、壁などに仮想的なオブジェクトを配置できるようになりました。また、カメラを通して描かれる現実世界の精細感が高まり、よりリアルにARを楽しめるようになったのも特筆できます。つまり、6月のWWDCを待たず、ひと足先に大幅なアップデートがなされたわけです。

iOS 11.3のリリース後、さらなる機能強化を図ったARアプリが続々登場し、「ARでこんなこともできるのか!」と驚かされることも増えました。そこで、今すぐ試せる優れもののARアプリを5つご紹介しましょう。

ARのルート案内で地図が苦手な人も安心!「Yahoo! Map」

地図アプリといえば、さまざまなスマホアプリのなかでも日ごろから多くの人が利用しているジャンルでしょう。これまでのルート案内の概念を変える斬新な機能を搭載した地図アプリ「Yahoo! Map」(無料)がYahoo! JAPANから登場しました。

これまでの地図アプリでのルート案内では、上空から見た2Dの地図(もしくは擬似的な3Dの地図)に色でルートが示される形でした。しかし、地図が苦手な人や方向音痴な人は、これだと分かりづらくて困る……と感じているのではないでしょうか?

新しいYahoo! Mapでは、徒歩でのルート案内を開始すると右上に「ARモード」という青いボタンが現れ、これをタップすると背面カメラが捕らえた実際の風景にルート案内のガイドが重ねて表示されます。目の前の光景に進むべきルートが示されるので、分かりやすさはピカイチ!

  • Yahoo! Mapでルート検索すると、上空から見た2Dの地図でルートが示される。注目は、右上にある「ARモード」という青いボタンだ

  • ARモードにすると、iPhoneの背面カメラが捕らえた実際の風景に、ルート案内の青いガイドが重ねて表示される

ルートには進むべき方向が表示されるほか、曲がり角には看板が現れて注意を促してくれます。途中には、目的地までの距離や所要時間を示した看板も表示され、どれぐらいで到着するかを確認できるのも安心できると感じました。

通ったルートには足跡が表示され、うっかり後戻りしてしまうミスを防ぐ工夫も。この足跡、たまに人間の裸足や犬の足跡などに変化する遊び心も備わっているそうです。Yahoo! JAPANのイメージキャラクターである「けんさく」が手を振っている様子が見えたら、そこが目的地です。

  • ルートの途中には、目的地までの距離や所要時間を示した看板が現れる

  • 目的地では、キャラクターの「けんさく」が手を振って迎えてくれる

ARで現実の光景と地図が融合することで、一般的な地図が苦手な人でも迷わずに目的地までたどり着けると感じました。誰でも無料で使えるので、子どもからビジネスパーソン、シニアまで必携のAR対応アプリとなりそうです。