日本の教育現場に適合できるか

レノボが国内向けに発表したChromebookの新製品が、「Lenovo 500e」と「同300e」の2機種だ。いずれも机からの落下や水こぼしにも耐える堅牢性を持ち、360度回転するディスプレイによりタブレットとしても利用できるなど、レノボがPCで培った技術が活かされた製品だ。

  • Chromeブラウザーを中心としたシンプルな「Lenovo 300e」

一方、ソフトウェアについてはNTTコミュニケーションズが提供する教育クラウド「まなびポケット」と連携。学校だけでなく自宅からもアクセスできる環境となっている。ハードウェアはレノボの技術を活用しつつ、ソフトウェアについては国内の教育現場に合ったものをうまく組み合わせた形だ。

  • NTTコミュニケーションズの教育クラウド「まなびポケット」

だが、Chromebookの普及に向けて課題はまだまだありそうだ。学校の現場に蓄積されてきたWindows資産を活かせないとなると、導入には二の足を踏む可能性がある。レノボとしてもChromebook一本ではなく、Windows機も併売していく構えだ。

また、国内の学校におけるWi-Fi環境の整備も気になるところだ。Chromebookはインターネットに接続した状態で利用することを前提としており、ネットが来ていない環境には導入できない。他社ではこうした状況を踏まえ、LTE接続機能を備えたモデルも提供しているほどだ。

レノボはこれらの課題を認識しつつ、国内でChromebookが普及していない理由としてプロモーションの不十分さを指摘している。まずは日本の教育関係者に、ChromebookやG Suiteのメリットを紹介していくことから始めたいという。レノボだけでなく、グーグルやChromebookを提供する他のメーカーを巻き込む動きにつながるかどうか、注目したい。