本体の装着は、アンプやBluetoothレシーバー、バッテリーなどを内蔵する本体を耳の後ろ側に回し、音の通り道になる音道管を耳の下に通してイヤーピースを耳穴にフックさせるという、イヤホンとしては一風変わったスタイルになります。アプリを開くと、装着方法がていねいに図解入りで紹介されています。筆者も、最初は装着の仕方に慣れなかったものの、取材を繰り返していくうちにスパッと耳に着けられるようになりました。耳の下に挟み込むスタイルなんて、頭を振ったりしたらイヤホンが落ちてくるんじゃないの?と思っていましたが、頭を激しく上下に振ってもなかなか振り落とそうとしても落とせません。イヤーピースのホールド感が抜群に安定しています。イヤーピースは、耳穴のサイズに合うように複数サイズの付属品から交換できるようになっています。

  • 耳の下側に音道管をはめ込んで、イヤーチップで耳の穴にフィットさせる。少しぐらい頭を振ってもびくともしなかった

Xperia Ear Duoの特徴は、イヤホンなのに開放型であるということです。装着すると耳穴をイヤーピースで完全にふさいでしまうカナル型イヤホンと違って、外の音や人の話し声が普通に聞こえてきます。

  • 装着方法もアプリの中でていねいに解説されている

音を鳴らす仕組みは、耳の後ろ側に位置する本体にドライバーが搭載されていて、ドライバーから出力された音が音道管を通って耳の穴に届けられる仕組みになります。周囲の音は聞こえてしまいますが、音楽もしっかり聞こえます。周囲の環境音の大小に合わせて、イヤホンが自動でボリュームを最適なレベルに調節してくれる「アダプティブボリュームコントロール」の機能も搭載されています。外に音が漏れないのかが気になるところですが、周囲にはほとんど聞こえないようです。むしろ、外の音が普通に聞こえるぐらいなので、飛行機や地下鉄の中など大きめの騒音に囲まれる場所でのシビアな音楽リスニングには向いていないかもしれません。

ユーザーのライフサイクルを学習するAI

Xperia Ear Duoには、ソニー独自のAIプラットフォームであるソニーエージェントテクノロジーが採用されています。スマホの通知や電話の着信、メッセージやメールの読み上げなどの機能は、「いつ」「何を読むか」をアプリから設定できます。オフィスや自宅などの場所、電車と自動車など乗り物などの状況を自動判別するのは、本体に内蔵するソニー独自開発のIoT向けスマートセンシングプロセッサ「CXD5602」が担っているとのこと。この当たりの使い勝手は、本機が発売されたら買って試したいと思います。

Xperia Ear Duoユーザーみんなでチャットができる「Anytime Talk」を体験した

「Anytime Talk」は、現在発売中の「Xperia Ear」のコンパニオンアプリにも追加されたグループチャット機能です。Xperiaを通して通信できる環境さえあれば、海外に住む友だちや仕事のメンバーと国境を越えたコミュニケーションに使えます。

  • 便利なグループチャット機能「Anytime Talk」はXperia Ear Duoでも使える

コンパニオンアプリからAnytime Talkのメニューを起動し、QRコードかメールにリンクのURLを貼って送ると、友人や仲間をグループチャットに招待できます。仲間の招待を受けてグループチャットに参加したあとは、本体のボタンを操作して通話モードを起動すれば、Xperiaの内蔵マイクがクリアな声を遠隔地に届けてくれます。

  • 友だちや仲間から送られてきたQRコードをスキャンするか、メールのリンクURLをタップすると招待が受けられる

  • 手間なく作業できるのが便利だ

Xperia Ear Duoは、左右本体の側面パネルが感圧式タッチセンサーになっています。シングルタップにマルチタップ、スワイプなど複数の操作パターンにどの機能を割り当てるかはユーザーがアプリから自由に選択することができるので、複雑になりがちなタッチ操作の内容も呑み込みやすいのではないでしょうか。

  • タッチセンサーの操作は、左右側とも自由に割り当てられる

ジェスチャー操作の便利な使い方

さらに面白いのは、本体に内蔵している加速度センサーで首を振る動を検知するジェスチャー操作にも対応したこと。首を「タテ」と「ヨコ」に振るモーションのそれぞれにユーザーの声を録音して割り当て、返信メッセージとして相手に送ることができます。例えば、もし電車に乗っている時に電話が着信してすぐに出られないときには、あらかじめ「いま電話に出られません」というメッセージを録音しておくことで、電車の中で声を出さずに首を横る動きだけで状況が相手に伝えられます。気の利いたメッセージを吹き込んでおけば、何度も連絡がすれ違いになりがちな相手も仕方ないなぁと笑って許してくれるでしょう。

  • ヘッドジェスチャーの操作もカスタマイズが可能

  • 通知の読み上げを「いつ」「どこで」「何を(=どのアプリを)」といった具合に細かく決められる

  • ヘッドジェスチャーの操作にオリジナルのボイスメッセージを割り当てられる機能が楽しい

現在発売中のXperia Earは、Xperiaスマートプロダクトの第1弾モデルであり、すでに多くのユーザーの手もとで実績を積んできた商品です。筆者がXperia Earのハイライトとして特に気になっているのは、ボイスアシスタントの中の人として、声優の寿美菜子さんを起用していること。Xperia Ear Duoが日本で発売されたあかつきには、また人気の声優さんが起用されるのでしょうか? 日本発売の続報を心待ちにしましょう。