PD対応で、どこでも本体を充電させたい
――Type-Cの搭載は12.1型のLet'snoteで初ですが、そもそも需要があったのでしょうか。
坂田氏:需要もありましたが、ようやく対応の周辺機器が出始め、Type-Cを載せることで、うまく使えばデスクトップPCの代わりができるんじゃないかと思いました。Power Deliveryにも対応させれば、AC電源がないところでも本体を充電できますし。
今はスマートフォンやタブレット向けに、大容量のType-C対応モバイルバッテリを持ち運んでいる人が多い。それをうまく使えれば、利用シーンが大きく広がるのではと。ちなみに本体の充電に必要な出力は、PCの電源オフ時は15W以上、電源オン時は27W以上です。
バッテリは、第8世代Intel Coreの安定動作に必要な電圧を確保するため、SZ6のバッテリで行っていた並列接続から、直列接続に変更しました。直列にすると電圧が上がるので。電池の容量自体はSZ6と同じ6セルで、消費電力は変わりません。
――Power Deliveryの入出力設計はどうなっているんでしょうか。
坂田氏:出力はType-Cの仕様通りの5V/3A、入力も仕様通りの20V/5Aで受け取ることができます。ただ、100Wは使いません。内部で受け取るのは85W程度です。ACアダプタが85Wで、そもそもそれ以上必要ないんです。
――SZより、必要な電力は大きくなりましたね。
坂田氏:CPUのターボブースト時に少なくとも44W必要じゃないですか。加えて、USB 3.0が3基付いていて、そのうち一つは給電対応です。
各ポートを動かすのに必要な電力は5V/0.9A(4.5W)、5V/0.9A(4.5W)、5V/1.5A(7.5W)となります。合計で16.5W。そして今回載せたType Cポートが15W。それだけで30Wを超えますよね。その上、液晶やWi-Fi、LTE、SSD、光学ドライブ……と、電力が必要なパーツがいくつかあります。ここをクリアして、残った電力で充電しなくちゃいけない。全機能がフルで使われるかは別として、SZ6で必要だった65Wよりは強化しています。
本社移転の影響はなし。東京で集まる「声」に期待
――外観は前も後ろもわずかに丸みを帯びた形に変更されました。重量は最軽量時0.99kgということでかなり軽いですが、開発時、このぐらいの重さにしたいという目標値はあったのでしょうか。
坂田氏:丸み部分は、少しでも細く見せたいという、デザイン上の話ですね(笑)。その"わずか"でも、薄く見えるんじゃないかと思ってやっています。無骨とは言われますが。
重さについては、今回確実に重くなるのがわかっていたので、どう軽量化するかを悩みました。ユーザーさんからすると、数字を見て1kgと言われると、外へ持って行こうという気が削がれるじゃないですか。なので1kgを切るところを目指しました。
ちなみにビジネス市場では軽量のニーズもあるだろうと考え、SZ6は法人向けのみ併売します。コンシューマー向けでは残しません。法人ではThunderbolt3や第8世代Intel Coreプロセッサが必要ないというお客さんもいるので。今は過渡期だと感じています。Let'snote SV7の法人向けモデルでは、CPUは第8世代ですが、Thunderbolt3なしの製品も用意しています。
――それでは最後に。樋口社長がパナソニックに参加し、2017年11月から本社が東京に移りました。今回のSV7は東京本社の第1号機にあたるわけですが、開発の過程で何か変わった点はありましたか。
山本氏:樋口さんは社員の意識改革に力を入れている、社員同士コミュニケーションを密にとることを大事にしている、ということを社内にいると感じます。Skypeでの会議も今までより増えました。社員同士のやりとりを効率良く進めるということで、 帰る時間が早くなった部分はありますね。
坂田氏:開発的には変わってないといえば変わってないですが、インプットの情報量は変わったかもしれません。東京に本社があった方が、お客さんから収集できる情報量は多い。とはいえまだ本社が移転して3カ月なので、具体的な実感はありません。期待も込めて、になりますが(笑)、今後の開発に必要な、ユーザーの要望の声を、今までより多く集められると思っています。 (※開発は大阪府守口のまま)
――ありがとうございました。