老舗BTOメーカーのFRONTIERとPCパーツで知られるASUSがコラボしたゲーミングデスクトップPCが登場した。統一感のあるホワイト&メッシュのコンパクトPCケースに4K解像度でも快適にゲームがプレイできる性能を詰め込んだ意欲作だ。見た目にも性能にもこだわりたい人にピッタリの1台となっている。さっそくレビューをお届けしよう。

  • ASUS×FRONTIERコラボモデルの「FRAFB860/C」。コンパクトなゲーミングデスクトップPCだ。標準構成で367,800円から

    ASUS×FRONTIERコラボモデルの「FRAFB860/C」。コンパクトなゲーミングデスクトップPCだ。標準構成で367,800円から

スマートで統一感のあるASUSのPCケースを採用

ASUS×FRONTIERコラボモデルの「FRAFB860/C」は、デスクトップ型のゲーミングPCだ。PCケースにはASUSのPrime AP201 MicroATX Caseを採用。幅205×奥行き460×高さ350mmと一般的なミドルタワー型と比べ、幅と高さが抑えられたコンパクトな作りになっている。その分、奥行きを確保して最長338mmの大型ビデオカード搭載にも対応。スマートな見た目ながら高いスペックを備えられるのが大きな特徴だ。

そして見た目もポイント。今回レビューするのはホワイトカラーだが、ブラックカラーも選択が可能だ。前面、天面、側面ともメッシュ仕様でカラーリングも統一されているため、非常にスッキリしたデザインになっている。ゲーミングPCというよりはインテリアの一つという印象だ。左側面が内部の見えるガラスパネルではないが、それだからこその統一感を実現している。

  • 全面メッシュのデザインによって統一感とスマートな雰囲気を実現している

  • 前面の上部にポート類は用意されている。Type-Cポートも搭載

  • 正面。メッシュでスッキリとしたデザインだ。FRONTIERとASUS両方のロゴが入っている

  • 背面。こちらもほぼホワイトに統一されている

  • 左側面。こちらもキレイなホワイトカラーだ

もちろんスペックをカスタマイズしての注文も可能だ。CPUやビデオカードは固定だが、CPUクーラーを空冷から水冷に変更、CPUグリスをより熱伝導率の高いものを選択、メモリやSSDをより大容量にする、といったことが可能だ。

キーボードやマウス、マウスパッド、ゲームコントローラー、ヘッドセット、液晶モニターなどゲーミングに必要な周辺機器も同時に注文可能だ。ここもASUSの製品が充実している。

  • メモリやストレージの容量変更、追加しての注文も可能だ

  • 同時に注文できる周辺機器もASUS製が充実している

Core Ultra 7 265F+GeForce RTX 5070 Tiの強力タッグ

ここからは実際の性能や静音性、温度などをチェックしていこう。今回の試用機のスペックは以下の通りだ。

試用機の構成
モデル FRAFB860/C
OS Windows 11 Home
CPU Core Ultra 7 265F(Pコア8+Eコア12)
CPUクーラー CPS RT400-BK
マザーボード ASUS B860M AYW GAMING WIFI
メモリ 32GB DDR5-5600(16GB×2)
グラフィックス ASUS PRIME GeForce RTX 5070 Ti 16GB GDDR7
SSD Crucial P3 Plus CT2000P3PSSD8(M.2 PCIe Gen4 SSD 2TB)
ケース ASUS Prime AP201 MicroATX Case
電源 850W ATX 3.1(80PLUS Platinum)

CPUはPコア8基、Eコア12基で合計20コア20スレッドの「Core Ultra 7 265F」だ。末尾に「F」が付いているのでGPU機能を内蔵しないタイプ。Core Ultra 200Sシリーズで最上位のCore Ultra 9 285K(Pコア8基、Eコア16基)に比べ、Eコアが4基少ないだけとゲーミングにおいて重要となるPコアの数が変わらずに、価格が大きく下がることから、お得感の高いモデルとして人気となってる。ゲーミング用途なら十分すぎるコア数であり、クリエイティブワークもこなせるCPUだ。

  • 内部は奥行きがあるため窮屈な感じはなくスッキリしている

  • CPUはPコア8基、Eコア12基のCore Ultra 7 265Fを搭載

ビデオカードはPCケースと同じくASUSの「PRIME GeForce RTX 5070 Ti 16GB GDDR7」が搭載されていた。GPUにアッパーミドルクラスのGeForce RTX 5070 Tiを採用する。前世代よりもAI処理性能を大幅に強化し、高速なGDDR7メモリを16GB搭載、8,960基のCUDAコア、256bitのメモリバス幅など高いスペックを誇る。ハードウェアエンコーダーの第9世代NVENCを2基備えており、それを同時に使用することで高速なエンコードが可能など、動画編集の用途にも活用が可能だ。汎用性の高さが強みと言える。

  • ビデオカードにはASUS PRIME GeForce RTX 5070 Ti 16GB GDDRCが搭載されていた

  • ビデオカードの補助電源コネクタである16ピンには、8ピン×3の変換ケーブルを使用して接続されていた

  • ブーストクロックは定格の2,452MHzだった

  • CPUクーラーは手頃な価格で高い冷却性能を持つことから人気のCPS RT400-BKを搭載

超重量級のゲームも最高画質で快適に楽しめるパワー

気になる性能をさっそくチェックしよう。まずは、定番のCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」、3Dベンチマークの「3DMark」を実行する。

  • Cinebench 2024の結果

  • PCMark 10 Standardの結果

  • 3DMark Steel Nomadの結果

  • 3DMark Fire Strikeの結果

  • 3DMark Speed Wayの結果

Cinebench 2024は20コアCPUとして順当なスコアを出している。Single Coreのスコアは高く、幅広いアプリを快適に利用できるだろう。PCMark 10のスコアもすべて高い。とくにクリエイティブワークのDigital Content Creationが高く、ゲーム以外の用途もこなせるのが分かる結果だ。3DMarkもFire StrikeとSteel NomadはRTX 5070 Tiのアベレージを超えるスコアを出しており、しっかりと性能を引き出せている。

では、実ゲームだとどうだろうか。フル/WQHD/4Kと3種類の解像度でフレームレートを測定した。テストしたゲームと条件は以下の通りだ。基本的にアップスケーラーやフレーム生成に対応しているものは、それぞれ利用している。

  • オーバーウォッチ2:画質“エピック”で、botマッチを実行した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
  • ELDEN RING NIGHTREIGN:画質“最高”で、円卓の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
  • モンスターハンターワイルズ:公式ベンチマークで画質“ウルトラ”&レイトレーシング“高”、DLSSは“クオリティ”、フレーム生成有効でベンチマークを実行
  • マーベル・ライバルズ:画質“最高”、DLSS“バランス”、マルチフレーム生成有効で訓練場の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
  • Stellar Blade:画質“とても高い”、DLSSは“バランス”、マルチフレーム生成有効でサイレントストリートの一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
  • DOOM: The Dark Ages:画質“ウルトラナイトメア”、DLSS“バランス”、マルチフレーム生成有効でキャンペーンモードのチャプター2冒頭の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定
  • サイバーパンク2077:画質“レイトレーシング:オーバードライブ”、DLSS“バランス”、マルチフレーム生成有効でゲーム内のベンチマーク機能を利用
  • ゲームタイトルにおけるフレームレート

今回試した7本のゲームはすべて4K最高画質でも快適にプレイできるフレームレートを出した。ELDEN RING NIGHTREIGNは最大60fpsなので、ほぼ上限に到達している。サイバーパンク2077は、すべての光源の経路(パス)を再現するパストレーシングという強烈な描画負荷の処理が入っているが、それでも4Kで128.7fpsに到達している。RTX 50シリーズだけで利用できるマルチフレーム生成の威力がよく分かる部分だ。なお、マーベル・ライバルズ、Stellar Blade、DOOM: The Dark Agesもマルチフレーム生成をサポートしているため、どれも高いフレームレートが出ている。

冷却力や動作音もチェックしてみよう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際のCPUとGPU温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は24℃だ。

  • CPUとGPUの温度推移

CPUは平均63.7℃、GPUは平均63.7℃とまったく心配のいらない温度だ。Core Ultra 5 265Fは20コアのメニーコアCPUだが、TDP 65Wで低発熱ということもあって、薄型サイドフローCPUクーラーのCPS RT400-BKでも余裕で冷却できている。GPUの温度もRTX 5070 Tiとしては低い。動作音は前面、天面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定したが、前面で36.5dB、天面で37.9dB、背面で41.3dBとなった。空気が抜ける背面側は少し動作音が大きくなるが、全体としてファンの音はほぼ気にならないレベル。サイバーパンク2077はCPU、GPUとも負荷が高いゲームだが、それでも動作音が静かなのはうれしいところだ。

統一感のあるデザインで高性能&低騒音

ホワイトカラーで統一されたデザインはスマートで満足感が高く、幅や高さがないので圧迫感がないのもよいところ。それで4K&高画質でのゲームプレイも余裕でこなせる高性能を備えており、しかもそれを静かに運用できる。見た目、性能、静音性のどれもこだわりたいなら、ぜひとも注目してほしい1台だ。2025年6月30日までは先着500名に「モンスターハンターワイルズ」ゲームコード(Steamキー)をプレゼントするキャンペーンも行われている。