衛星用ロケットのコードネームが明らかに
MOMO2号機では、「ひふみ投信」で知られるレオス・キャピタルワークスがスポンサーになっており、機体にはマスコットキャラクターの「ひふみろ」が描かれている。この「ひふみろ」は元々「ひふみロケット」の略とのことで、奇しくもロケットがロケットに乗るという妙なことに。
イベントの後半では、ISTの稲川社長と堀江貴文 取締役、レオス・キャピタルワークスの藤野英人 代表取締役社長によるトークセッションが行われた
藤野社長は堀江取締役と20年来の友人ながら、宇宙にはまったく関心が無かったという。しかし、初号機の打ち上げをネット中継で見ていたら夢中になり、霧の中を飛んでいったときには感動したとのこと。再挑戦を応援したくなり、打ち上げのあと、すぐに連絡を取って、スポンサーになりたいと伝えたそうだ。
2号機の打ち上げは今春を予定。詳細な日程はまだ不明だが、藤野社長は「これは歴史的な瞬間になる。日本初の機会にメインスポンサーとして参加できるのは最高の喜び」とコメントした。
また、ISTはMOMOの開発と並行して、超小型衛星用ロケットの開発も進めている。今回のイベントでは、このロケットの開発コードネームが「ZERO」であることが明らかにされた。
ZEROという名前の由来であるが、稲川社長によれば、「現在のほかの多くのロケットには系譜がある。イプシロンならペンシル、H-IIAならデルタだが、我々のロケットにはそれがなく、工夫しながらゼロから作り上げている」という意味が込められているそうだ。
ちょうどこのイベントの前日、Rocket Labの「Electron」ロケットが打ち上げに初めて成功した。超小型衛星用ロケットの実現で先を越されてしまったわけだが、堀江取締役は「基本的にライバルが増えるのは歓迎。我々のミッションは、宇宙への輸送コストを下げること。競合が出てこないと、コストは下がらない」と述べる。
ZEROの打ち上げは、今のところ2020年を予定している。堀江取締役はRocket Labに対し、「すごい、素晴らしい」と賞賛する一方で、「ただ焦りはある」と心境も吐露。ZEROの開発には「まだ10~20億円は必要」と、資金調達の課題もあり、まずはMOMO2号機で宇宙に到達し、今後の開発に弾みを付けたいところだ。