成長を推し進めていくデジタル印刷事業では、2007年に年間印刷枚数が50億枚(A4換算)だった市場が、2017年は350億枚となりました。2018年は新たに、「HP Indigo 12000HDデジタル印刷機(1600dpi高解像ヘッドモデル)」の出荷を開始することで、さらなる成長を期待しているそうです。

  • 日本HP、事業説明会

    襖紙(ふすまがみ)にもプリントできるということで、日本HPのデジタル印刷が採用された例。採用した菊池襖紙工場では、壁紙をラテックスで刷って、スクリーン印刷やグラビア印刷を重ね、さらに同社の伝統工芸である金や銀の粉を使った装飾を施しています

将来分野を担う3Dプリンティング事業では、試作のためのツールだった3Dプリンタが、最終製品そのものまで出力する時代が来ると考えます(ここでいう3Dプリンタは、ホビーにも使える卓上サイズのものではなく、完全に業務用途の製品を指します)。過渡期の現在、最終製品に入るパーツの多くを、日本HPの3Dプリンティングシステムで造形しているという話が印象的でした。

実際、2017年11月にはNASAから特注された無重力で使えるプリンタを、3Dプリンタで製品化すると発表しています。5,000台以下くらいのロットであれば、3Dプリンタで製造したほうがコストを抑えられるケースが増えているそうです。無重力対応プリンタはそんなに何台も使われる製品ではないので、まさに3Dプリンタを活用したほうが効率的なケースに当てはまるということです。

  • 日本HP、事業説明会

    オリジナルプラスチックパーツの50%以上を、自社の「HP Jet Fusion 3Dプリンティング」で造形。その技術を利用して無重力で利用できるプリンタを開発

  • 日本HP、事業説明会

    PCレスでA1サイズの大判印刷が可能な「HP DesignJet T830 MFP」

  • 日本HP、事業説明会

    日本HPのデジタルプリンティングが採用されている最終製品の例