H2Lと日本電信電話(以下 NTT)は、H2Lが保有する手指モーションキャプチャ技術・電気的筋肉刺激(EMS)コントロール技術と、NTTが保有するhitoe評価技術を活用し、VRやARに自然な触覚共有体験を与える触感型インタフェースを開発したことを発表した。
H2Lは、モーションセンサと筋変位センサアレイを内蔵した端末を腕に巻きつけて手の動きを捉え、VRゲームに入力する手指モーションキャプチャ技術や、機能的電気刺激により手の筋肉を収縮させてユーザに擬似的な触感を与える電気的筋肉刺激(EMS)コントロール技術を応用し、ゲームなどの仮想世界における擬似的な触感を体感できるデバイス(UnlimitedHandなど)を、ゲーム開発者ツールとして製造販売している。
現行のUnlimitedHandでは、一般的なEMS製品で使用されているハイドロゲル(ゲル)電極を皮膚接触電気抵抗の低減のために使用しており、肌への粘着質な接触による不快感や乾燥による硬化、皮膚接触電気抵抗の増大による交換等の手間、洗浄できないために不衛生であるといった課題があった。
このたびNTTは、東レと共同開発した機能素材hitoeをゲル電極の代替としてUnlimitedHandへ導入するにあたり、電気的評価の支援を担いだ。H2LがUnlimitedHandへのhitoeの実装を実現したことで、従来のゲル電極の課題を解消し爽快な装着感が得られること、乾燥による劣化を気にすることなく長期使用が可能になること、100回以上の洗濯耐性を有することによる衛生面の向上が得られることなど、ユーザへ高い満足感を提供することができることになった。さらに、肌の状態により十分な疑似触感が得られないゲル電極の動作条件においても使用が可能となり、触感呈示の性能を飛躍的に向上したという。
H2Lは、これらの性能向上により、従来ゲーム開発者など専門的な知識を有する限定的なユーザにのみ利用されてきたが、より一般的なユーザへ利用できるハードウェアとしての主要課題をひとつ克服したと説明している。