AMDは1月7日(米国時間)、米国ラスベガスで開催されるCES 2018に合わせて、Ryzen Mobile(正確にはRyzen with Radeon Vega Graphics)とRadeon Vega Mobile、Ryzen APU(これも正確にはRyzen Desktop Processors with Radeon Vega Graphics)を正式に発表した。

Ryzen Mobileはどんな製品かというと、要するに4コアZenのCCXとVegaをInfinity Fabricで繋いだモノリシックなダイの構造をとる(Photo01)。

  • HBCCはRaven Ridgeでは搭載しない

    前もレポートしたが、Vegaに搭載されていたHBCCはRaven Ridgeでは搭載しない

Ryzen 7 2700UとRyzen 5 2500Uの2つのSKUについては2017年第4四半期(厳密には2017年10月)からOEMパートナーに出荷しており(Photo03)、これを搭載した製品を各社がリリースしている。とりあえずRyzen 7 2700U/Ryzen 5 2500Uの性能はPhoto04~10のように示された。

  • Ryzen 7 2700U/Ryzen 5 2500Uは新製品ではない

    Ryzen 7 2700U/Ryzen 5 2500Uは新製品という扱いではない

  • AMDのサイトでもこのように表示

    AMDのサイトでもこのように表示される

  • Single Threadは同等、Multi Threadでは上回る

    Single Thread性能ではCore i7-7500Uと同等だが、Multi Thread性能ではCore i7-8550Uを上回るとする

  • 主要なアプリケーション性能

    主要なアプリケーション性能。PassMarkだけはちょっと振るわない

  • TDP 91Wと同等の性能を15Wで

    TDP 91WのCore i5-7600Kと同等の性能を15Wで実現するとしている

  • アプリケーション起動性能

    アプリケーション起動性能。比較対象はAMD FX-9800Pである

  • 3DMark Time Spyでの結果

    3DMark Time Spyの結果。DiscreteのGeForce 950M相当の性能があるとする

  • 主要なゲームタイトル

    主要なゲームタイトル。いずれも30fpsを超えて利用できるとする

  • バッテリー寿命

    最後がバッテリー寿命。FX-9800Pと比較しても大幅に伸びた

これに続くものとして、2018年第1四半期中にRyzen 3 2300U/2200Uが投入される予定となっている。

また、Ryzen MobileをベースにしたRyzen Pro Mobileも1四半期遅れて、2018年第2四半期に投入される。こちらについても、追って詳細が公開される予定だ。

Radeon Vega Mobile - 細かいスペックは不明

AMDがIntelにRadeon Vega Mを提供した話はテクノロジートレンドでもちょっと触れたし、実際の製品も正式発表されたようだ。

これと同じVega Mコア+HBM2という組み合わせのVega Mobileも今回発表された(Photo11)。ただ、主要な特徴こそ発表されたものの、細かいスペックなどは現時点では明らかにされていない。

  • CEOのLisa Su氏がパッケージを公開

    CEOのLisa Su氏がパッケージを公開

  • 厚みがわずか1.7mm

    厚みがわずか1.7mm、というのが特徴。これは8th Gen Intel Core Processors with Radeon RX Vega M GraphicsでもIntelがアピールしている

また、これとRyzen Mobileを組み合わせてCrossFireは構成できるのか? とJoe Macri(CTO Client Graphics Business & Corporate Fellow)に確認したところ、技術的には可能かもしれないが、Ryzen MobileとRadeon Vega Mobileで、CU数や動作周波数もさることながら、メモリ帯域が大きく異なるため、現実問題としてあまり効果がないという。

また、「DirectX 12では、アプリケーション開発者がそんな構成をサポートしたくないんじゃないかな」という返答であった。