Appleは、12月1日の世界エイズデーに向け、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」のために3,000万USドル以上の寄付金を集めたことを明らかにした。これは過去最大額となる模様だ。また、この日にあわせ、Apple.comとApp Storeのトップページを(RED)に変更している。

  • (RED)大使のコンスタンス・ムデンダさんと娘のルボナちゃん。コンスタンスさんはHIV陽性だったが、抗レトロウイルス薬治療を受けたお陰で、ルボナちゃんはHIV陰性で生まれてきた

(PRODUCT)REDを運営する(RED)は、ロックバンドU2のボーカリスト・ボノと、 国際NGOであるDATAのボビー・シュライバーが発起人となり、2006年1月26日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで提唱された。発足依頼、地球上でHIVと共に生きている3,700万人以上を支援する活動を継続している。

今年、Appleは世界エイズデーに向け、グローバルファンドのために3,000万USドル以上の寄付金を集めた。これは、母親からまだ生まれていない子供へのHIVの感染を予防する、ARV治療薬の1億4,400万日分に相当する。Appleの顧客は過去11年以上に亘って、こうした救命薬の4億7,500万日分に相当する寄付金を提供するサポートをしてきたことになる。その累積額は1億6,000万USドルにも及ぶ。

  • Apple Storeはこれまでに1億6,000万USドルを寄付している

(RED)は同組織の発足以来グローバルファンドに対し、5億USドル以上の寄付金を集めるというマイルストーンを打ち立てている。(RED)の基金は、予防、検査、治療、カウンセリング、ケアサービスが最も必要とされる領域に、それらを提供するグローバルファンドのプログラムに資金を用意してきた。

2000年の段階では70万人しかいなかった救命薬を使える人々は、現在、2,090万人となった。この数字は2016年末の1,950万人から増加している。HIVと共に生きている妊娠中の女性で治療を受けている割合も劇的に増えており、2010年の47%から、2016年には76%に増加した。2005年の時点では、HIVに感染して生まれてくる新生児が毎日1,200人もいたが、今日、その数は400人まで減り、UNAIDS(国連合同エイズ計画)の予測では、2020年までにゼロ近くになるとのことで、世界は2030年にもAIDSを根絶する方向で歩みを進めている。

  • 世界エイズデーの1日は、世界中でTodayタブが(RED)に占拠されている

Apple.comとApp Storeでは、トップページが(RED)に変更されている。日本では年間を通して販売している(PRODUCT)REDのラインナップとともに、1日から7日まで、Apple Store実店舗または、「Apple Store」アプリにてApple Payで支払われる1購入に対し1USドルをグローバルファンドに寄付することがアナウンスされている。

また、App Storeでは、開発者たちの(RED)支援の方法にまつわる裏話など、(RED)に特化したストーリーでTodayタブが占拠されている。ゲームデベロッパのKingからは、同社の人気タイトルである「キャンディークラッシュ」「キャンディークラッシュゼリー」「キャンディークラッシュソーダ」を集めた限定版バンドルが提供されており、それぞれのApp内課金を通じて得られた収益がすべてグローバルファンドに寄付される。