本連載でも触れてきたとおり、Appleは、iPadとMacを「混ぜる」つもりはないようだ。「混ぜない」が意味するところはいくつかあるが、例えばMacにタッチパネルを採用しない点や、MacでiOSを動作させない点、iPadでのアプリ開発を許可しない点などが挙げられる。

Appleには、iPadとMacをミックスする意向はない

特に意味のある分類は、MacでしかiPhone・iPad向けのアプリが開発できないところだろう。その制限を設けておくことで、iPhoneが売れれば売れるほど、アプリ開発が活発になり、結果としてMacの販売台数が堅調に推移することになる。

別な角度から見てみると、iPhoneとMacのアプリ開発に関わる中に、iPadは含まれていなかったことがこのところの販売低迷の一因にもなっていたとも考えられる。iPhoneが売れても、iPadは連動しない。それどころか大画面化するiPhoneが売れることで、iPadのメリットが薄れてしまったのである。

5.5インチのiPhone 8 Plusと10.5インチのiPad Proの画面サイズには大きな開きがあり、iPhone Xの5.8インチと比べても、iPadのディスプレイがかなり大きい。

しかし、電話などのコミュニケーションとアプリ活用、エンターテインメント消費を1台で済ませることができ、常にポケットに入っているiPhoneと、持ち歩くのにはやや手間となるiPadでは、ライフスタイルの中での競争力が根本的に違うのだ。