説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『新フォーマットで写真撮影するとストレージを節約できるってホント?』という質問に答えます。

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はい、本当です。iOS 11からサポートされた静止画フォーマット「HEIF(High Efficiency Image File Format、ヒーフ)」で写真を撮影すると、従来のフォーマット(JPEG)に比べ写真のファイルサイズが小さくなります。

HEIFは「コーデック」と呼ばれるソフトウェアの一種で、撮影時点では容量が大きい静止画/動画をコンパクト化します。HEIFは静止画と動画の両方に対応しており、iOS 11の初期設定ではHEIFが静止画用コーデックとして選択されています。つまり、iOS 11にアップデートすると自動的に写真はHEIFで保存されるようになるため、なにもしないかぎりストレージを節約していることになります。

AppleはiOS 11の発表時、HEIFの圧縮率について「JPEGと比較して2倍」と説明していましたが、実際のところ必ずしも2倍(サイズが半分)とはなりません。被写体にもよりますが、JPEGに比べ55~60%前後のファイルサイズになることが多いようです。

写真がHEIFで保存されていることは、『設定』→「カメラ」→「フォーマット」の順に画面を開き、「高効率」が選択されているかどうかで確認できます。ここで「互換性優先」が選択されている場合は、HEIFではなくJPEGで保存されるため、初期設定に比べストレージが減るペースは速くなります。

なお、HEIFに対応するパソコン/スマートフォンは、2017年10月現在Apple製品くらいなものです。そのままでは友人・知人に送ることができない……ことはなく、メールへの添付やAirDropで送信するなどのタイミングで自動的にJPEGへ変換されますから、表示方法で思い悩む必要はありません。

iOS 11で撮影した写真(1.3MB)をAirDropでMacへ送信したところ、JPEGに自動変換されてサイズが2.2MBに増えました