会見のなかで、吉田社長は、まず、これまでの3年間に亘るVAIOの取り組みについて触れた。

VAIOは2017年7月1日で3周年を迎えた

2年連続で営業黒字、売上高は倍増へ

吉田社長はこの3年間の実績として「VAIOが作るPCの再定義」、「営業部の設立/法人向け体制の整備」、「EMS事業の立ち上げ」の3点を挙げた。「3年連続での最終黒字、2年連続での営業黒字を達成した。売上高は、100億円未満だったものが、200億円規模へと約2倍になっている。また、粗利が増え、利益は3.2倍になっており、収益構造が確立した」などと述べた。

3年間の振り返り

そして「VAIOは自社のPCを再定義し、製販一体による一貫した機能を備える企業へと変革した。PCは、生産性、創造性を高める最高の道具であり、そこにおいて、VAIOが目指すのは『快』」と、同社PCのコンセプトを強調。

また、製品、営業体制、保守・メンテナンス、サービス・キッティングといった観点から、法人向け体制を整備。今はようやく法人顧客向けの体制が整った段階で、企業が「格好いい」という理由でVAIOを"指名買い"するケースも出てきたとし、「(販売先企業の)若い社員のモチベーションアップにつながるという声が出ている」と法人市場を評価した。

VAIOでは法人向けの販売体制を整備してきた

BtoCは減らさず、BtoBを増やす

法人向け販売は、2014年実績と2016年実績を比較すると倍増。吉田氏は「現在、6割が法人向け市場であり、クラムシェル型PCはニーズが強い。BtoCを減らすのではなく、限られたリソースのなかで、BtoBにもターゲットを広げ、決めたターゲットで利益をあげる。法人営業は、さらに2倍にすることができる。大きくハイライトしていきたい領域だ」などとした。

VAIO安曇野工場で行っている耐久テストの例も紹介。「ペンを挟んで蓋を閉めた場合などの耐久性を確認するといった過酷なテストを行っている」と紹介した