今後のVAIOの方針として、PC事業戦略、NB事業戦略、PC事業の中国市場進出、第3のコア事業の4点から説明した。

VAIOが進める4つの方針

PC事業では「気持ちいいPC」を継続

PC事業戦略では、「VAIOらしいPC、かっこいい、気持ちいいPC」を目指すこれまでの方針を維持。「BtoCに加えて、BtoBも重視していく。ビジネスユースに最高の『快』を届ける」と発言した。

PC事業では引き続き、PCに求められる「快」を追求

また、「自社調査で、他社製PCと比べたVAIOの弱みが浮き彫りになった」と課題を説明。特にビジネスマンのためのPCであることに対しての評価が低く「この点では年末までに他社を抜きたいと考えている」と述べた。

VAIOが製造するPCの強みと弱み(自社調査)

加えて、「信頼性が高く、安心して使えるという点についての評価も低い。技術者は信頼性が高いものを作っているというが、これが伝わっていない。高い信頼性を実現していることを実証していくことが大切である。また、仕事で使う上での必要条件を満たすという点でも改善の余地がある。軽くすると一部の機能を削ることになるが、たとえば法人ユーザーからは有線ポートは必要であるといった声も出ており、こうした機能は削ってはいけない。仕事できちっと使える条件を満たした製品を出していく。弱いところは強め、強いところはさらに強くし、必要要件を満たした上で、かっこいい、気持ちいいPCを目指す」と語った。

なお、VAIO Phoneの今後の展開については、「いまの製品は、きちっとフォローしていくが、この方向性を明確にするにはもう少し時間がほしい」と述べるに留まった。

EMS事業は「受託」から「パートナー」へ

2つめのNB(New Business)事業は、従来のEMS事業を指す。ロボット生産などの実績があがっているが、「これまでは受託事業で、表に出る立場ではないとして事業を進めてきた。これをパートナー事業体制へと進化させる。単に製造を請け負うだけでなく、試作や量産のための設計支援、コンサルティング、アフターサービス、品質保証なども提供する。アイデアを持っている人のモノづくりを支援し、我々から顧客に提案できる事業に進化させたい」とした。

NB事業の戦略