3つめのポイントとしては、PC事業の中国市場進出が紹介された。これは北米や南米(ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ)に続き、6カ国目の海外事業になる。

中国ではEコマースサイトをパートナーに、8月8日から販売を開始する

中国進出「最初の1年はリハビリ」

「中国全土を、パートナー1社で攻めることになる。eコマースによるノートPCの販売トップであるJD.COMと手を結んだビジネス。中国の若い人たちはスマホで購入する傾向が強く、そうしたニーズを捉えたもの。JD.COMは10兆円規模の売上高を誇り、日本のPC市場の8掛けぐらいの市場規模を1社で持っている。様々なパートナーと組んで販売網を構築する時代ではなく、これが、新たなビジネススタイルになる」とし、「VAIOは、以前は中国市場で年間100万台規模の販売実績があった。新たなVAIOの灯を灯していく。世界のVAIOブランドであることは忘れてはならない」とした。

まずは、VAIO Zのクラムシェルモデル、VAIO S13を投入。「ハイエンドで攻めていくことになる。数字を追求して、やけどをすることはしない。これまでのVAIOのポジションを置き換えたメーカーがあり、それを取り返していく。丁寧にやっていくことになる」とした。

フラッグシップに限定して展開することになるが、JD.COMとの話し合いを通じて、要望を反映した製品づくりなども視野に入れることになりそうだ。

まずはVAIO Zのクラムシェルモデル、VAIO S13を投入

中国市場向けの初年度の販売規模は数万台を想定。3年後には数10万台規模にまで拡大させる。日本で品質検査を行う安曇野FINISHは継続。「最初の1年はリハビリである。出荷台数が増えれば、変えなくてはならないこともある。オンサイト安曇野FINISHということもあるだろう。それは次の段階で考えたい」とした。

なお、これまでの海外事業の進捗については、「ほぼ計画通りである。米国は数を追うビジネスではない。南米はライセンスビジネスであり、必ず利益があがるものになっている」(VAIOの赤羽良介執行役員副社長)とした。