回線契約時の「割引券」がPCの価格に影響
日本の家電量販店では、Wi-Fiルーターや光ファイバーなどの通信回線を契約することで、数万円の「割引券」を配布することが定番になっている。これを利用して、PCや周辺機器を割安に買ったことがある人も多いのではないだろうか。
実はこのWi-Fiルーター市場でシェア1位をキープしているのがファーウェイなのだ。一般に知られているのは「Pocket WiFi」といったブランドだが、端末を製造してきたのはファーウェイだ。「Wi-Fiルーターが1台あれば、スマホやタブレット、ノートPCをつなげることで通信を1本化できる」と、ファーウェイ・ジャパンでデバイス事業を統括する呉波(ゴ・ハ)氏も強調する。
この割引券の存在により、日本の消費者はより高機能で、高性能なPCを求める傾向にあると呉氏は分析する。たしかに日本の家電量販店には「Microsoft Office」をバンドルした10万円以上のPCが多数並んでいるが、これは欧米ではなかなか見ることのできない光景だ。
また、買い換えサイクルの長さもPCの特徴だという。スマホは2年程度で買い換えるのに対し、PCでは3年から5年、最近では7年以上に伸びているとの調査もある。いざ買い換えるからには、良いものを長く使おうと考える人は多いはずだ。
もっとも、ブランド認知度という点でファーウェイは決して強くはないのが現状だ。都市部では認知度が急激に上がっているとはいえ、地方の販売現場ではまだまだ国内ブランドに及ばないとの声は多い。
こうしたブランド力を一朝一夕に得られるものではないことは、同社も認めている。まずはWi-Fiルーターと割引券を足がかりに、スマホやタブレットでの人気の高まりをノートPCにも波及させていくというのが、ファーウェイの狙いだろう。