次に九州から来たという株主から、「今日時点で、孫さんが引退するときの時価総額はいくらくらいになるのかイメージでいいので教えて欲しい」という質問が。孫社長は「今現在の時価総額よりはもっともっと大きくして株主に喜んでもらえるようにしたい。ソフトバンクの2000年のネットバブルピークの時に買った人は大損している。一人の犠牲者も出したくない」と回答。2000年のピーク時は時価総額で20兆円を超えたことがあったが、その水準を超えたいということだろう。ちなみに昨年の株主総会では、30年プランで200兆円の時価総額を目指すとしていたが、今回は具体的な数字は飛び出さなかった。
次の株主からは「2年前、株主総会で『海外からの訪問者の不満がWi-Fiがないという声が上位に常にある』と言ったら『やりましょう』と言っていただいて無料Wi-Fiを強化していただいたが、まだ外国人からの不満が大きい。五輪までに外国人からの不満がなくなるところまでやっていただきたい」との要望が。これに対して孫社長は「無料Wi-Fiについては逆になくすべきかと思っている。というのは無料Wi-Fiでセキュリティ問題や被害が起きている。無料を名乗ってセキュリティの穴で悪さをしている被害が大量発生している。なので無料Wi-Fiよりもむしろ世界中のキャリアとデータローミングをもっと広めたほうがいい」と持論を述べた。
続いての株主は「太陽光発電について聞きたい。個人住宅やオフィスビル、工場は、技術革新によって地産地消ですべて解決しないのか」という質問が。孫社長は「太陽光は大規模に集積するやり方と個人でやるやり方があるが、今現在個人でやるのは効率が悪い。大規模にやるのが世界のトレンド。ソフトバンクの太陽光発電は利益を出している。太陽光、風力で出した利益は再生可能エネルギーに再投資する方針でやっている」と回答。今後もメガソーラーなどに投資する意向を示した。
次の株主からは「アンケート用紙のチェック欄にある、株主総会の出席回数の上限が5回、保有年数が10年というのが最大になっている。ソフトバンクが一番辛かった時期を支えて来た株主がたくさんいると思うが、5回とか10年じゃなくて15、20年と孫のホラ話に付き合って支えてきた長期保有株主の思いに応えて欲しいです」との指摘が。孫社長は「株主はパートナーだと思っている。長く支えて信じていただいた方々に応えるために我々が人類に貢献し尊敬される会社になることが報いることだと思っている」と答え、会場からは拍手が湧いた。