だんだんと市場での明確な競合がいなくなり、2-in-1やデタッチャブルといった、MicrosoftがPC市場に向けて作り出したトレンドが盛り上がっている現状において、iPadはタブレットとしての孤高の存在でありながら、PC市場のトレンドに打ち勝たなければならない。そのために重要なのは、Apple Pencilの役割を強調し、Surfaceシリーズに明確に競合する製品であると打ち出すことだ。

Apple Pencilの役割を明確させられるかどうかがiPad再生の鍵となる

新たに登場したApple PeniclとiPadを一緒に収納できるスリーブなどのアクセサリ群についても、デバイスをより持ち運びやすくし、より身近な存在となってもらうことで、iPad Proらしい使い勝手を実現できるにようにする狙いが伺える。

その狙いの象徴的なことが、iOS 11のディスプレイをApple Pencilでタップすると起きる。ペン先が画面に触れた瞬間、最後に開いていたノートが起動し、メモを瞬時に取ることができるようになるのだ。ロック解除をせずに、最後のメモだけ開けるようにし、「筆記用具」としての即時性を再現した。「メモ」アプリは、特にiPadとApple Pencilの組み合わせ向けに機能が強化されているのが印象的だ。テキストのノートと手書きメモを混在させられるようになった他、ドキュメントスキャナ機能を搭載し、カメラを使ってキレイに文書を取り込み、手書きメモで装飾することができるようになった。

また、iOS 11では手書きでメモがとれる場面が大幅に増えている。例えばスクリーンショットを撮ると、その場で手書きのメモを入れて共有や保存が可能だ。またSafariのウェブページをPDFとして保存すれば、やはり手書きでの書き込みを行え、それを共有することができる。