米Essential Productsは5月30日 (現地時間)、スマートホームハブ「Essential Home」を発表した。Essential Productsは、GoogleでAndroid開発を率いてきたAndy Rubin氏が設立、CEOを務めている。同じ日に同社はスマートフォン「Essential Phone」も発表した。

Essential Homeは、AmazonのEchoやGoogleのGoogle Homeと同じ、インテリジェントなホームアシスタント・デバイスである。

ユーザーが声をかける、タップする、または見つめるといった方法でアクティブ状態に切り替わる。ホッケーのパックのようなデザインで、表面全体が円形のタッチディスプレイになっている。天気や曲名といった情報を表示したり、照明の明るさを調整するダイヤルになったりと、アシスタントの種類に応じて表示を変える。このディスプレイも活用した柔軟なユーザーインターフェイスによって、音声だけのデジタルホームアシスタント機器よりも様々な情報やサービスに対応できる。

Essential HomeはAIを活用したプロアクティブなアシスタントを提供する。たとえば、次のミーティング場所までの道路が混雑している時に、早めに出かけるように促す。音楽を再生している時にユーザーが誰かと会話し始めたら自動的に音楽の音量を下げてくれる。ユーザーの生活を知ることで、より関連性の高い情報や効果的なアシスタントを提供できるようになるが、Essential Home自体がAIエンジンを備え、AIの学習に必要な処理を端末で行ってクラウドには限られたデータのみを送信する。プライバシーを優先したデザインになっている点をEssentialは強調している。

Essential HomeはAmbient OSという独自OSを搭載する。同OSはIoTやスマートホーム機器を仲立ちする「家のAPI」と呼べるような設計になっており、家の中にある独立したデバイスの連係を実現する。たとえばタイマーを設定して、時間になったら照明を点滅させて知らせるというようなことが可能になる。EssentialのMara Segal氏は「デジタル機器に対するオーケストラの指揮者のような存在」と説明している。

Essential Phoneが今日の成熟したスマートフォン市場に向けた製品だとしたら、Essential Homeはポスト・スマートフォンも見据えた製品といえる。Essential Phoneに関しては30日に価格も発表してWebサイトで予約受付を開始したが、Essential Homeについては現時点では製品の概要を公表しているのみ。Ambient OSの詳細、Essential Homeのスペック、発売時期などは不明だ。