ベンチマークテスト「Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands」

Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsは、各解像度でCore i7-7700Kの方が若干高いフレームレートを出す傾向が見られた。1280×720ドットで5fps差がある一方、3840×2160ドットは1fps未満の差なのでこちらは体感できるほどではない。

高解像度、高負荷時は数値が小さくなるために、それを差とするのか誤差とするのか難しいのだが、解像度毎の推移を見れば、3840×2160ドットでもRyzen 7 1700X/1700はCore i7-7700Kよりもわずかに下というのが正確なところだろう。ただし、体感できるほどではないので、プレイ環境としてみれば互角といっていいだろう。

ベンチマークテスト「Grand Theft Auto V」

Grand Theft Auto Vは、1280×720ドットの数値が荒れているが、これは再インストールなど設定を見直しても変わらなかったため、そのままとしている。結果を見れば、基本的に先のTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsと同様の傾向が見られた。

確かに平均値で見ればCore i7-7700Kのほうがわずかに高い数値だが、これも差はごくわずかで実際のプレイに影響するほどではない。ゲーミングPCのプラットフォームとしても、Ryzen 7は十分に検討に値する。

ベンチマークテスト「Hitman 2016」

Hitman 2016のDirectX 12、GPU Framerateのテスト結果は、これも1280×720ドットのみやや差がついているが、Grand Theft Auto Vで見られた不安定さはなかったので、おそらく正しい値なのだろう。

低解像度(低GPU負荷)で楽しむ場合は、Intel環境のほうがフレームレートが出やすいのかもしれない。その上でRyzen 7 1700Xが1700よりも高いフレームレートなので、動作クロックの影響が現れるといった判断も可能だろう。

それ以上の解像度については3つの環境でほとんど差はない。今回はGeForce GTX 1080のように、高解像度でのゲームプレイを前提としたグラフィックスカードでテストしているが、例えばGeForce GTX 1060やRadeon RX 560のように1080pの中~低解像度、あるいは720pを前提とした環境の場合は、Intelのプラットフォームのほうが性能を引き出せるかもしれない。

ベンチマークテスト「Grand Theft Auto V」

消費電力については、ビデオカードやSSD、メモリといったところは共通としたものの、プラットフォームとしては異なる点を考慮しなければならない。 とはいえ、Ryzen 7は消費電力の点でもLGA1155プラットフォームのCore i7に対して互角と言えるところまで来たと判断できそうだ。

補足をすると、現状ではまだRyzen 7がその性能を引き出すためには、電力設定で「高パフォーマンス」を選ぶ必要がある。これはRyzenに統合されたセンサーとその情報を用いた制御と、Windowsの電力設定プロファイルとが最適化されていないためだ。そこでAMDはRyzen向けの電源プロファイルを用意したわけだが、それでもまだ高パフォーマンス時のものとは差があるようだ。

実運用においてそこまでシビアになる必要があるのかどうかは別として、気になる人は、ゲームのようにパフォーマンスを求める際に、手動で電源設定を切り替えるのがよい。こうしたRyzenのWindowsへの最適化については、電力・パフォーマンスとも現在進行中といったところだ。

Windows 10リリース時点で十分なノウハウがあったCoreアーキテクチャと、新参のRyzenでは少し状況が異なる。ただし、まだ真のRyzenというわけではなく、使っていくなかで改善を体感できるという見方もできる。