まるで一枚の絵画のように

第2世代の有機ELパネルの搭載はデザインも大きく変えた。「Picture-on-Wall」の実現だ。「OLED 65W7P」は約3.9mmの薄さで、その様子は「壁掛け」というより「壁張り」いや「壁貼り」と表現したほうが適切だ。

これは、本体の薄さもさることながら、取付金具の工夫によるところも大きい。従来の壁掛けテレビ用金具は、それ自体に厚みがあるため、テレビを取り付けると壁から数センチ飛び出した状態になる。今回、LGが開発した取付金具には薄い板状のマグネットシートが貼られており、ここにテレビ本体をぴったりとくっつける (テレビの重みでずり落ちないように上部にはフックがある)。これにより、壁と一体化したかのようなデザインが実現したのである。

わずか3.9mmという薄さのOLED 65W7P。下に見えるコンパニオンボックスにチューナーなどの本体コンポーネントやスピーカーを搭載している

ディスプレイ部とスピーカー部 (コンパニオンボックスと呼ばれる) の間は1本のフラットケーブルで接続する。そのケーブルをユーザー自身で着色できるよう素材を工夫しているので、壁紙と同系色に塗ればまさに「壁にかかった一枚の絵」のようになる。

なお、ディスプレイ部は7.6kgと軽量だが、日本の壁は薄い石膏ボードが多いことから、安全のために取付金具のネジを壁内の柱に当てる必要がある。それゆえ、取り付けは家電量販店から派遣されるプロの工事業者に任せることをLGでは推奨している。

取付金具とディスプレイ部をマグネットで貼り合わせる。右上の写真をクリックして拡大するとテレビ側のマグネットが確認できるはずだ

Dolby Atmos対応スピーカーで音に包まれる

一枚の絵画のようなデザインになったことで、LGでは新たな使い方も提案している。10数枚の画像をプリインストールし、テレビを見ていない時はそれこそ額縁に入った絵を楽しむような使い方ができるのだ。静止画だけでなく、テレビを窓に見立てて、海辺の風景や雨の情景を動画で見せるコンテンツも用意。さらに自分で撮影した写真を映し出すこともできる。

有名な絵画や美しい写真を表示すると、実にリッチな気分が味わえる (製品の価格も100万円だ!!)。OLEDの長所である、黒の表現がとくに際立つ

音の話題もしよう。「OLED 65W7P」のスピーカー部には、新開発の「ムービングスピーカー」を導入した。テレビをつけるとスピーカー部の左右から自動的にせり上がり、上方向の音を強化する仕組みだ。前方向に向けた通常のスピーカーと合わせることで、視聴者はあたかも画面から音が出ているような体験ができる。さらに、「Dolby Atmos」にも対応。同規格対応コンテンツを視聴すると、映像に合わせて音が上下左右前後に自由に移動する、これまでにないサラウンド感を楽しめる (映像のDolby Visionにも対応している)。

コンパニオンボックスにスピーカー機能を内蔵。電源を入れると、写真のように円柱形状のムービングスピーカーがせり上がる。そのほか、ミッドレンジとツイーターを4基、ウーファーを2基備えている。最大出力は60W

Dolby Atomsに対応。ムービングスピーカーが再生時に効果を発揮する

OSは、webOS 3.5。音楽再生機能を新たに追加しており、画面を消して音楽だけを鳴らすこともできる

テレビが壁に張り付くようになると、いつもの視聴ポジションからテレビの距離が遠くなるため、これまでよりもワンランク上の大画面が導入しやすくなる。今後さらに大型化することで、壁の大部分が1枚のモニターという、SF映画に出てくるような光景もそう遠くない時期に現実化するだろう。「OLED 65W7P」の登場は、そんな期待を抱かせてくれる。