Moto Z Playは、OSにはAndroid 6.0を採用しているが、配信が始まっている最新版のAndroid 7.0も利用可能だ。UIはシンプルで、素のAndroidのUIを採用。メーカー独自カスタマイズがない分、アップデートも早期に行われることが期待できる。Android標準のUIのため、面白みや独自性はないが、NexusなどのAndroid標準UIに慣れている人ならば移行しやすいだろう。

シンプルなUIで、アプリ一覧は縦にアプリアイコンが並ぶタイプ

独自アプリもほとんどなく、Moto Mods用の管理アプリと、音声コントロールなどの「Moto」が搭載されているほかはGoogleの標準アプリだけしかない。自分で好きなアプリをインストールできる反面、初心者にとっては最初のハードルとなる部分だろう。とはいえ、ここで慣れておけばのちのち便利ではあるし、初心者こそシンプルなUIで慣れるべきかもしれない。

独自機能としては、「Moto」アプリからジェスチャー、音声操作、通知設定が行える。ジェスチャー機能の「Actions」では、端末を2回振り下ろしてフラッシュライトのオン・オフ、画面上をスワイプしてアプリ画面の小型化、ディスプレイを下に向けておくことで無音化、画面に手を近づけるとMoto Displayを点灯、着信時に端末を持ち上げるとバイブレーション切り替え、端末を持ってて首を2回ひねるとカメラを起動、といった操作が行える。

独自のActions

音声操作では、「OK, Moto」などと起動フレーズを決めて行うのだが、起ち上がるのはGoogleの音声検索で、起動フレーズを設定できる点が特徴。Moto Displayは、画面オフの状態で一部の通知を表示する機能。有機ELディスプレイを使っているからこその機能で、手を近づければ時計や通知が表示されるのは意外に便利。

面白いところでは、「日本のSIM」を挿入しない状態でカメラを利用するとシャッター音が鳴らない。NTTドコモやソフトバンク、それらを利用したMVNOといった日本向けのSIMカードを挿入すると、それを認識してシャッター音をオンにするようだが、一度も日本のSIMを挿していない状態だと、シャッター音を鳴らさない設定ができる(一度挿入したあとは、シャッター音をオフにできなくなる)。日本など一部の国に特有のシャッター音が必ずなるという機構にあわせた仕組みだろうが、海外用の端末として日本のSIMを挿さずに使うというのも面白いかもしれない。

カメラのUI。メニューからシャッター音の有無が選べるが、日本のSIMを入れるとオンのまま変更できなくなる

Moto Zはハイスペックな上、とにかく薄さが際立っているのでインパクトはあるが、Moto Z Playは持ちやすさやコストパフォーマンスに優れ、実用性も高い。Moto Modsも使えて拡張性もあるため、薄型ハイスペックをご所望というユーザー以外はMoto Z Playで十分だろう。

Moto Z Playの側面。ボタンは片側にボリュームと電源ボタンをそろえている

上部にはSIMスロット

下部にはUSB Type-C端子とイヤホン端子