前述の通り、iOSには主要な言語の辞書が内蔵されている。これに加えて、Spotlight検索を利用すると、端末内の情報とともに、Wikipediaの記事も候補に現れ、タップすればSafariですぐに意味が分る。

iOS標準搭載の辞書検索機能

iOSの検索エンジンであるSpotlightは、わざわざWikipediaアプリを導入するという必要性を排除している。スマートフォンに辞書を含む様々なデータベースが入り、それがSpotlight検索に対応すると、わざわざアプリやブラウザを開いての検索、という行動が失われるかもしれない。そのため、Wikipediaは、アプリにブックマーク機能やオフライン閲覧機能、編集機能などを搭載することになった。

Spotlight検索では、Wikipediaの情報を参照することもできる

他方、この潮流はサードパーティのアプリ開発者にとって利点ももたらすかもしれない。現在アプリ対応が限定されているSiriだが、辞書アプリでの検索をSpotlight経由でサポートすると、前述の辞書アプリを音声で検索し、Siriが意味を教えてくれる仕組みを実現可能になるからだ。

これは、Wikipediaやインストールしている辞書の情報が表示されるようになるかも、あるいはその概要部分を読み上げてくれるかも、ということを意味する。今のところ、Siriに「携帯電話の意味は?」と聞くと、Bing検索の結果が表示されるに留まっているのであるが。