物書堂の辞書アプリには手書き入力機能が備わっており、読めない漢字を調べるにも便利だ。また、デジタル辞書ならではの曖昧な検索にも多数対応している。例えば「一期一会」を探したいとき、「一#一#」で調べれば、結果を見つけ出すことができる。面白いのは、「一字一句」「一言一行」といった同じパターンの他の四字熟語を見つけることができる点だ。

「精選版 日本国語大辞典」では、言葉の意味ごとに用例が載っている点も面白い。その用例も、源氏物語から小説など、出典は多岐に渡る。辞書の説明文の中の言葉もスワイプで検索できるため、辞書を読み進めていく、という体験もできる。

分厚い辞書を手軽に持ち運べる、ということ以上に重要な、デジタル辞書のメリットは、記録だと思う。物書堂の辞書アプリには、検索履歴とブックマーク機能がある。調べた単語を振り返って覚えているかチェックしたり、繰り返し調べる単語をブックマークしておいても良い。

紙の辞書は、よく見るページに付箋をつけたり、覚えたい単語にマーカーで線を引いたりするが、デジタルの辞書であっても、きちんと自分の辞書として育っていく要素が加味されている。