世界最大級のエレクトロニクスショー「CES 2017」では、オーディオの最新商品や先端技術も数多く展示されていた。本稿では、今年のCESで見つけたヘッドホン・イヤホンの新製品を紹介する。

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AKGのプレミアムモデル「Nシリーズ」に大量の新製品

CESの常連ハーマンインターナショナルから、AKGのプレミアムモデル「Nシリーズ」にたくさんの新製品が登場した。多くのモデルが春以降に北米での発売を予定している。順調にいけば夏以降には日本にもやってくるのではないだろうか。

AKGのハイブリッド型イヤホン「N30」

最大の注目株はイヤホンの最上位モデル「N40」の弟分となる、「N30」だ。日本のイヤホンファンもうならせたN40と同じ、BAとダイナミックのハイブリッド型イヤホンで、ハイレゾロゴも取得している。内部の構造はN40から変更していないが、ノズルの先端に着脱して音のテイストが好みに合わせて変えられるアコースティックフィルターの種類を一つ減らして、リファレンスサウンドとベースブーストの2つに絞り込んだ。

ハウジングもグロッシーなシルバーから、マットなシルバーとブラックの2色になっている。参考までに、価格はN40(北米では399ドルで販売されている)よりも100ドルぐらい安くなるという。耳にループ掛けするスタイルやコンパクトなハウジングのサイズなど、評判のよい装着性はそのまま。MMCX端子のリケーブル仕様も継承している。

ダイナミック型ドライバーをダブルで乗せた「N25」

カラーバリエーションは3色

今回一気に増えたイヤホンのラインナップは、最上位N40とエントリークラス「N20」との間を埋める顔ぶれになる。「N25」は5.8mmと9.2mm、サイズと受け持つ帯域の違うダイナミック型ドライバー2基をドッキングさせた「デュアル・ダイナミック型」のイヤホンだ。ドライバーが2つ入ったため、N20よりもハウジングのサイズは少し大きくなったように思う。カラーはシャンパンゴールド風のベージュのほか、ブラック、グリーンがそろい、どこかフェミニンな雰囲気も漂うイヤホンだ。本機もハイレゾロゴが付く。北米では199ドルで登場予定。

Lightnning仕様の「N20LT」

iPhone 7からイヤホン端子がなくなったことで、今年はLightning直結タイプのイヤホンがいろんなブランドから出てくることになりそうだ。AKGも「N20LT」を準備している。N20をベースに、Lightining端子にコネクターを変更して、48kHz/24bitのDACも搭載したデジタルイヤホンだ。価格は149ドルを予定している。

アクティブノイズキャンセリング機能が付いた「N20NC」

N20をベースにしたバリエーションモデルがもうひとつあって、「N20NC」はノイズキャンセリング機能を備えている。アンプやノイズキャンセリングのICチップなどを搭載するコントロールボックスを設け、別きょう体のマイク付イヤホンも装備。フル充電で20時間の連続リスニングに対応するため、長距離の移動も安心だ。価格は199ドルになる見込み。

こちらはワイヤレスになった「N60NC WIRELESS」

そして最後に、既発売のノイズキャンセリングヘッドホン「N60NC」にBluetoothワイヤレス機能を合体させた「N60NC WIRELESS」。日本国内でもiPhone 7が登場してから、ワイヤレスのイヤホンやヘッドホンに注目が集まっている。今年のCESを取材する限り、アメリカにも大きなワイヤレスブームが来そうな気配が漂っていた。AKGもしっかりと潮流に乗って、全方位にラインナップを充実させてきた。

N60NCはとても自然で強力なノイズキャンセリング効果を特徴とするヘッドホンだが、ワイヤレスでますます便利に使えるようになるのはありがたい。イヤーパッドを柔らかく肉厚なものにしたり、装着感も一段と良くなっている印象だ。