12月17日・18日、東京・秋葉原でポタフェス2016冬が開催。本稿では、オンキヨー&パイオニアイノベーションブースに出品されていた未発売の製品についてレポートする。

密閉型ヘッドホンの試作機(型番未定)

パイオニアブランドは密閉型ヘッドホンの試作機を参考出品していた。ハウジングはマグネシウム合金を採用し、2.5mmのバランスケーブルを同梱。2015年発売の旗艦ヘッドホン「SE-MASTER1」をイメージした仕上がりになっている。

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その音は、フラットながらエネルギー感が強い。聴いていると、ハウジング内部に暖かい空気が流れ込んだような、じんわりとした熱を感じる。ポジティブな音色やドラムのノリのよさは、同社のハイレゾプレーヤー「XDP-300R」を想起させた。

発売日は未定だが、置いてあるプロトタイプは完成形にかなり近いように見える。2017年の早い段階で、続報が届くのではないだろうか。価格も未定だが、ブース担当者は「SE-MASTER1(約25万円)の半分程度ではないか」と話していた。

桐製ヘッドホン、

筆者が半ば個人的な興味で追いかけている、オンキヨーの桐製ヘッドホン。「春のヘッドフォン祭 2016」で初披露され、その後は夏の「ポタフェス2016」で改良版を出品していたが、今回は外観がほぼ最終形となった最新版を置いていた。

桐製ヘッドホンの最新版

ヘッドバンドは太めで羊の本革を使用。これは三重県にあるオンキヨーの自社工場で開発されたものだという。発売は来春の予定。発表当初は受注生産の可能性を示唆していたが、店頭で通常販売される可能性が濃厚だという。価格は20~25万円程度になるだろう、とのこと。

前回聴いたときは、ギターが琴っぽく、ドラムが和太鼓っぽくなるという「和の響き」が印象的だったが、おや、最新版はそこまででもないぞ……。前よりスピード感があり、ドラムも締まって聴こえる。いい意味でクセが取れて、聴きやすさとノリのよさがかなり上がっていた。

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外観のみアップデートされたと思っていたので、本当に内部構造変わってないんですか? ときいてみると、新たにドライバーをマグネシウム合金で固定するようになったと教えてくれた。

しかも、「今聴いてもらった試作機は"音楽好き"に向けたチューニングを施したもの。"オーディオ好き"向けの試作機もあります」と、チューニング違いの桐製ヘッドホン(外観全く同じ)が出てきた。

"オーディオ好き"向けも聴いてみたが、こちらは最初に聴いたものよりもかなりフラットなサウンドを鳴らす。音の刺さりが完全に取り除かれており、長い時間じっくりと聴き続けていられそうだ。

"音楽好き"と"オーディオ好き"という表現はわりと的を射ていて、"音楽好き"向けは音のメリハリがわかりやすく、ロックやポップスも楽しく鳴らしていた。対する"オーディオ好き"向けは、高級ヘッドホンの王道をいく、ナチュラルで優美な音作り。製品版にはどちらのチューニングが採用されるのか楽しみだ。