OSビルド 14986の改善点・既知の問題

ここからはPC版の修正内容と確認済みの問題を紹介する。まずは修正箇所から。

  • Windows Helloの顔認証を改善した。「設定」の<アカウント/サインインオプション>に並ぶ<認識精度を高める>ボタンからウィザードの実行を推奨する。
  • タスクバーのコンテキストメニューに<Taskbar settings>を追加した。

タスクバーのコンテキストメニューから、「設定」の<個人用設定/タスクバー>が呼び出せるようになった

  • 仮想タッチパッドのボタンが一部のデバイスで動作しなかった問題を修正した。
  • メインディスプレイがタッチ機能をサポートしていない場合、仮想タッチパッドが起動しない問題を修正した。
  • 「設定」の<個人用設定/タスクバー>に並ぶ<システムアイコンのオン/オフの切り替え>に<Touchpad>を追加した。

システムアイコン表示/非表示の切り替え対象として、新たに加わった<Touchpad>

  • PCを一定時間使用していない状態で「Windowsストア」「フォト」「People」などのアプリケーションが起動する問題を修正した。
  • 「設定」の<システム/バッテリー>を開くと、アプリケーションがクラッシュする問題を修正した。
  • MS-IMEの手書きパネルの既定表示形式をデスクトップ下部にドッキングせず、テキストフィールドの横に浮かせるように変更した。
  • Microsoft Word 2016などのOfficeアプリケーションでタイ語用キーボード使用時に、言語を切り替えるとハングアップする問題を修正した。
  • 既定ユーザーのNumLock設定がアップグレード時に保持されるように移行ロジックを更新した。
  • エクスプローラーからExcelワークシートファイルを関連付け経由で開くと、Microsoft Excelがハングアップする問題を修正した。
  • Windows Helloが顔認識時に利用者を発見できない問題を修正した。
  • Surface Dialを回すと予期せぬビープ音が発生する問題を修正した。
  • 将来的な調整のため、「設定」の<システム/ストレージ>に表示されていたアプリケーションやドキュメントの保存先を別構成に変更した。
  • ストレージ使用率を確認する際、カテゴリーの1つである「その他」が実際以上の高い数値を示していた問題を修正した。

「設定」の<システム/ストレージ>に並んでいたアプリケーションなどの保存先設定が別項目になった。ちなみに筆者の環境では、オフラインマップの保存先がメインストレージから変更できなくなっていることを確認している

  • エクスプローラーの<ファイル>タブに並ぶ<Windows PowerShellを開く>がグレーアウトし、選択できなくなる問題を修正した。
  • 表示言語として中国語(繁体字)を選択すると、通知領域にある<時計とカレンダー>のフライアウトが開かない問題を修正した。
  • フルスクリーン表示時の検索結果で小さいアイコンを採用し、全体的なデザインの更新とより多くの検索結果を示すようになった。
  • 一部の通知が正しい位置に移動するように修正した。
  • 特定のアプリケーションに対して通知バナーをオフにしても、トースト通知が表示される問題を修正した。
  • お気に入りフォルダーに登録しても、デスクトップ上のお気に入りバーが空の状態に見える問題を修正した。
  • Microsoft Edgeで多くのGIF形式ファイルを表示、もしくは動画をループ再生すると、異常状態になる問題を修正した。
  • [Alt]+[D]キーでMicrosoft Edgeのアドレスバーにフォーカスを移動できない問題を修正した。
  • OSビルド 14926~14959では、一部の環境で既定の電源設定が損なわれてしまう問題が発生していた。OSビルド 14986には、この問題を修正するプロセスが稼働するものの一時的な対応のため、Windows 10 Creators Updateリリース前には削除される。
  • Windowsエラー報告のロジックを変更した。オンラインゲームプレイ時やビデオストリーミング中、Skype通話などネットワーク集中型の活動に干渉しないように注意してほしい。
  • 一部のMicrosoft Studios製ゲームで、起動時のスプラッシュ画面表示後にフリーズする問題を修正した。
  • タスクバーをデスクトップ上部に配置していると、アップグレード後に「ようこそ」画面が表示される問題を修正した。

次はPC版で確認されている問題を紹介する。

  • キーボードのホットキーでディスプレイの明るさを正しく調整できない。変更時はアクションセンターもしくは「設定」の<システム/ディスプレイ>を利用する。
  • OneDriveフォルダーを開く際に、致命的なエラーが発生する。

筆者の環境では上記のOneDriveフォルダーに関するエラーは確認できなかった。Microsoftは解決策としてattribコマンドによるオフライン属性の削除を推奨している。OneDriveフォルダーを変更していない場合、「attrib -O %USERPROFILE%\OneDrive」で問題を回避できる

  • 一部の環境でDirectAccessアクセス機能が動作しない。
  • Microsoft Edgeと「ナレーター」を組み合わせが正しく動作しない。問題が発生した際は[Alt]+[Tab]キーを押してフォーカスを戻すと期待どおりに動作する。
  • Cortanaによるアプリケーション名を用いたランチャー機能が意図どおりに動作しない。アプリケーションをインストールし、5分後に実行すれば正しく動作する。
  • UWP版Windows Defenderは必要最小限の機能しか備えていない。フル/カスタムスキャンや履歴機能を使うにはデスクトップアプリ版を利用する。

今回はOSビルド 14977のPC版をスキップしたことから、大量の新機能を実装している。本ビルドにアップデートしてから半日ほど使用してみたが、今のところ致命的な問題には遭遇していない。既報のとおり、Snapdragon版Windows 10の発表も相まって、Windows 10 Creators Updateは大きな進化を遂げそうだ。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第75回) - PC版をスキップしたOSビルド14977登場
http://news.mynavi.jp/articles/2016/12/02/windows10/
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