細かすぎるが「キーボードで選ぶ」なら15インチ

筆者は文章を書く仕事をしているため、心地よいキーボードを使いたいという意識がある。MacBook Proには、MacBookで登場したバタフライ型のストロークが浅いキーボードが採用された。ただし、新型MacBook Proに搭載されたキーボードは、第2世代とうたっており、メカニズムのチューニングやバネの変更などが施されている。

新型MacBook Proは第2世代バタフライキーボードを採用

新しいタッチは、よりしっかりとした打鍵感と跳ね返りを指先で感じることができるようになり、以前のモノには厳しかった「キーを叩く」リズミカルなタッチにも対応できるようになってきた。しかし、引き続き「キーをなぞる」感覚のタッチの方がスムーズに入力が出来る点は、以前と変わらない。

あらかじめ断っておくが、旧モデルのように深さがあるキーボードの好みから抜けきれない場合は、いくら改良されたとしても、ストロークの浅いキーボードに対して、違和感が付きまとうだろう。両者を全く別のキーボードとしてとらえ、自分の打ち方を少し変えるつもりでなければ、心地よさを得られない。

しかし、これはAppleが悪いわけでも、我々が悪いわけでもない。キーボードのような慣れが必要なデバイスは、その慣れこそが使いやすさに繋がると考えられるからだ。キーボードについて、使いやすさや心地よさを得ようと思えば、時間をかけて旧モデルから移行する前提で望むと良いだろう。

さて、13インチモデルと15インチモデルの双方で、同じ第2世代のバタフライキーボードが採用されているが、両方を試した結果、筆者は若干の違いがあることに気づいた。注意深くタイピングを続けていくと、15インチモデルの方が、安定感があり、新しいメカニズムが作り出すしっとりとした打鍵感を味わうことができた。筐体のサイズと剛性感から出てくる違いかもしれないが、キーボードの心地よさを考えると、15インチのそれが上回っていると感じた。

巨大化したトラックパッド

新型Macbook Proでは、感圧式のトラックパッドが大型化した。これは入力インタフェースとして非常に大きな変化だ。13インチではiPhone SE、15インチモデルでは4.7インチのiPhone 7がすっぽり収まるサイズ。旧モデルでは、スペースバーからトラックパッドまで、ちょうどキー1つ分の幅が空いていたのだが、トラックパッドの大型化により、キーボードのスペースバーあたりまで迫っている。これだけ近いと、ホームポジションからでも、トラックパッドの上の部分で操作が行えるようになる。

旧世代モデルと比べると、一段と大きさが際立つトラックパッド。キーボードから手を離さずに操作しやすくなった

感圧トラックパッドになっているため、トラックパッドの上の方で押し込んでも、きちんと反応してくれる。トラックパッドとキーボードを併用する作業の効率性は高まったといえる。

キーボードの心地よさと同様、非常に細かい点に思われるかもしれないが、例えばスライドの作成といった、文字入力とマウス操作を行ったり来たりする場面では、操作するデバイスを変える際のタイムラグが発生する。ほんの一瞬ではあるが、積み重なることで大きな時間となる。大きなトラックパッドにより、文字入力からマウス操作へスムーズに切り替えられるようになり、効率が上がる。こうした変化は、「Pro」を冠する道具としては、重要なこだわりと言えるだろう。