13インチモデルの魅力に勝てるか?

ここまで、15インチモデルの新型MacBook Proを見てきた。デザイン面ではこれまでのモデルを踏襲するが、薄型化、小型化と大幅な軽量化は、ノート型コンピュータとしての洗練度を高めている。新しいインタフェースであるTouch Barも、非常に功利的な「道具」としての実装を見せてくれた。

確かにユーザーによっては、16GB以上のメモリの搭載ができない点や、CPUが最新のKaby Lakeではなく、1世代前のSkylakeに留まっている点を惜しいと感じることもあるかもしれないが、プロセッサについてはIntelのロールアウトのタイミングに起因するため、仕方がない面がある。

「Pro」を冠する製品で、かつ15インチモデであれば、そうした要素を求めるとも分かるし、「最強のMac」として足りないところがあるとの指摘にも理解できる。筆者もこれまでと同様に15インチなのか、それともCore i7プロセッサと16GBメモリにアップグレードした13インチモデルを選ぶのか悩んでいる状態だ。

グラフィックス性能は言うまでもなく15インチモデルが圧倒的に優位だが、13インチモデルには、MacBook Airと同等のポータビリティが備わっている。もしも、ビデオ編集や3Dグラフィックス、ゲームに重きを置かないのであれば、13インチモデルは、メインマシンとしての性能に加えて、小型軽量であり、15インチモデルに勝る魅力を放つ製品だ。

15インチモデルと13インチモデルの選択は悩みどころだが、この選択自体が良い機会で楽しみでもある。実際にAppleの店頭で触れて、自分のこれまで、そしてこれからのコンピュータの使い方を考えて選びたい。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura