従来、トースターといえば1万円以下で買える比較的安価な家電だった。しかし、ここ数年は数万円する「高級トースター」が次々と発売されている。この高級トースター業界に参入してきたのがシロカの「ハイブリッドオーブントースター ST-G111」(以下、ST-G111)だ。シロカは11月8日にST-G111のプレス発表会を開催。会場ではST-G111で焼いたパンの試食などもできた。

ST-G111は4枚の角食パンを一度に焼けるトースター。本体サイズはW35×D36.2×H22.9cmで、少し小さめのオーブンサイズ。焼き網とヒーター間の距離は6cmほどで、背の高い食材の加熱には向いていない

シンプルでスタイリッシュなデザイン。色はホワイトとほぼ黒にも見えるブラウンの2色。表面はマット調で高級感がある。トースターながらオーブンのように温度設定が可能。温度設定範囲は100~250℃まで

一般的な低価格トースターは「操作はタイマー設定だけ、庫内ヒーターで加熱する」という単純な構造だ。一方、高級トースターは、緻密な温度制御や過熱水蒸気による加熱など、機能面でこだわった製品が多い。今回発表されたST-G111も、一般的なトースターにはない機能を2つ搭載している。

高機能トースターならではの2つの機能

ひとつは「コンベクション機能」。ST-G111庫内奥にはファンを搭載しており、ヒーターによる加熱とともに庫内に「風」を作りだす。コンベクションとは「対流」のことで、庫内に風の対流を生み出すことで、食材を熱風で包み込むのだ。これにより、ムラなく素早い食材の加熱が可能となる。コンベクション機能はオーブンに搭載されることが多いが、この機能をあえてトースターであるST-G111に搭載した。

庫内奥にファンを内蔵。庫内に風を発生させることで食材を包み込んで加熱できる

コンベクション機能は「モード」の設定で切ることもできる。モードには風をおこす「コンベクション」のほか、風無しで加熱する「オーブン」モードを3種類搭載。上下ヒーター、上ヒーターだけ、下ヒーターだけ、と使用するヒーターを選ぶこともできる

もう一つの機能が、ST-G111最大の特徴ともえる「グラファイトヒーター」による加熱だ。グラファイトヒーターはカーボンヒーターの一種だが、一般的なカーボンヒーターよりも遠赤外線照射量が多く、しかも立ち上がりが非常に速い。

ST-G111は、株式会社千石が開発した、特許技術取得のグラファイトヒーターを搭載。トースターによく使用される「シーズヒーター」などは、加熱をスタート後5秒たっても約40%しか発熱しないが、このグラファイトヒーターなら0.2秒で100%の発熱に達する。とにかく熱の立ち上がりが素早いため、ほとんどの場合は加熱時に余熱を必要としない。

庫内上部にグラファイトヒーターを搭載。ちなみに、庫内下部は加熱バランスを考え、一般的なヒーターを搭載している

一般的なヒーターが5秒たっても4割しか発熱できないのに対し、グラファイトヒーターは0.2秒で最高温度に達している

【動画】タイマーを入れると、すぐにヒーターが発熱・発光する

グラファイトヒーターのもう一つの特徴が、加熱時に明るく光ること。ST-G111は庫内上部にグラファイトヒーターを搭載しているので、加熱が始まると庫内を明るく照らし、焼き色などもはっきりと確認できた。

グラファイトヒーターは、発熱時に明るく光るのも特徴。発熱時は、まるで庫内ライトのように明るくなり、焼き色などがよく確認できる