ハイレゾ対応の高音質と、業界最高クラスをうたうノイズキャンセリング(NC)性能を併せ持つ、ソニーのBluetoothヘッドホン「MDR-1000X」(10月29日発売、推定市場価格は税別40,000円前後)が発表された。本稿では、タッチセンサー式リモコンによるジェスチャー操作も行える「全部入りヘッドホン大本命」の実力に迫る。
iPhone 7 / 7 Plusからイヤホン端子が無くなってしまったことで、今後はワイヤレスヘッドホン・イヤホンへの注目が否が応にも高まるだろう。ソニーをはじめ、有名ヘッドホンブランドが競い合って開発する「ワイヤレス+NC」の全部入りヘッドホンもトレンド最先端を行く見逃せないアイテムだ。
従来、Bluetoothによるワイヤレス伝送技術では、ハイレゾオーディオの音楽情報を劣化無く送り届けることが難しかった。その点、ソニーのMDR-1000Xでは、ワイヤレスでもハイレゾ相当のいい音が楽しめるよう、あの手この手で工夫している。
まず、音楽を再生するプレーヤーがハイレゾ対応じゃなくても、さらに音源がハイレゾじゃなくても、音質を「ハイレゾ相当」までアップスケールしてくれる「DSEE HX」に注目だ。たとえば、ハイレゾ対応ではないiPhoneで、Apple Musicのライブラリに貯めてあるお気に入りの音楽を再生しても、これがハイレゾ相当のいい音で聴けるというのだ。ハイレゾを体験したことがないという方も、今までのワイヤレス音楽再生のクオリティと比べて違いを感じて欲しい。
もう一つ、ハイレゾ相当のワイヤレス再生を実現する技術がソニー独自のBluetoothコーデック「LDAC」だ。その特徴はハイレゾオーディオ信号を96kHz/24bit相当までのクオリティでワイヤレス伝送できるところにあるが、肝心なのは送り手側であるプレーヤーもLDACに対応していなければならないということ。今のところソニーのハイレゾ対応ウォークマン (A10) や、Xperiaシリーズの新しいスマホ (Z4以降) がLDACをサポートしている。もし手元に対応機器があれば、MDR-1000Xとの組み合わせでよりよいワイヤレス再生環境を構築できるというわけだ。