アンカー設立の背景と基本戦略
アンカーは米グーグル出身の数名の若者によって2009年に設立された生産設備を持たないファブレスメーカーだ。創業者の一人が抱いた疑問が設立のきっかけになったという。
なぜ、品質、保証、サポート、価格のバランスが良い製品が少ないのかという疑問だ。メーカー純正品は、保証やサポートがしっかりしているものの、価格が高い。一方で、ノンブランド品は保証やサポートが不十分。両者の間に大きな隔たりがあったのだ。
通常、製品がメーカーの手を離れるまでに多くのステップを経る。メーカー、メーカー系販売会社、商社、小売店があり、その分、価格は高くなってしまう。そこに目をつけたのがアンカーだ。商品知識を持ち購買判断が下せる消費者には、流通コストは単なる負担になってしまう。ネットを通じて直接販売を行えば、品質に妥協せずとも、価格が下げられ、消費者ニーズを満たせるというわけである。
こうした考えをもってして、始まったのがアンカーだ。今まで取扱ってきたモバイルバッテリ、USBケーブルといった製品は大ヒットし、モバイルバッテリーにいたっては累計1500万台を売り上げた。全世界40カ国に商品を展開し、2015年の売上は3億ドル、2016年は5億ドルの見通し。中期的には売上10億ドルを目指していくという。売上規模だけでも、設立後わずか7年でいかに多くのユーザーに支持され、急拡大してきたかがわかるだろう。
品質、価格で攻めるアンカー。新商品のうち目玉と思えるロボット掃除機も確かに安い。ロボット掃除機「RoboVac 20」は2万9,800円(税込み、以下同)。対してiRobotの「ルンバ」は最も安い「ルンバ680」で53,870円(直販価格)、シャープのココロボのエントリーモデル「RX-V50-W」で4万円前後(ネットショップ価格)となっている。
機能自体は他社と比べて絞った部分があるとするが、試しに使ってみた範囲では、性能面では問題はない。細かいゴミをきちんと拾いあげ、掃除機としては十分な性能を有しており、「ロボット掃除機に掃除をしてもらいたい」という本来のニーズは満たせるものとなりそうだ。
