合体分離型カメラとして、また16mm相当の画角を持つコンデジとして、非常に高い完成度を持つカシオのEXILIM「EX-FR100」(以下、FR100)。そのバリエーションモデル「EX-FR200」(以下、FR200)が、いよいよ登場した。
のだが、このFR200、魚眼レンズを搭載した180度の全天周カメラなのだ。……といわれても、疑問符しか浮かばない読者諸氏も多いことだろう(私もそうだった)。そこで、ぶっちゃけ何ができるのか(撮れるのか)をレポートしたい。
見た目のインパクトだけでなく、操作性も大きく向上
外観と基本操作はFR100のそれを踏襲しており、特にコントローラー部(液晶モニター)はほぼ共通といっていい。実際、FR200とFR100のコントローラー部には互換性があり(※)、FR200のコントローラー部でFR100のカメラ部を認識・操作できるし、FR100のコントローラー部でもFR200のカメラ部を認識・操作することが可能なのだ。
※FR100のコントローラー部およびカメラ部に最新のファームウェアを適用することが必要
FR100との比較。コントローラー部はほぼ共通。モニターは3.0型TFTカラー液晶、921,600ドット、静電容量式タッチパネル |
実は微妙に外装が異なる。ツヤ有りがFR200だ。コントローラー部、カメラ部とも、ユーザーのバッテリー交換は不可能 |
大きく張り出したドーム状の魚眼レンズが特徴的なカメラ部は精緻で美しく、SF的だ。このビジュアルだけでも、大いに物欲が刺激される人間は少なくあるまい。思えば、見た目だけで欲しくなるカメラに、久しぶりに出会った気がする。
レンズは、35mm換算13.4mm相当の焦点距離を持つ円周魚眼で、185°の撮影が可能(つまり、撮影者のやや後方まで写すことができる!)。f値はF2.8固定で、撮影距離は約40cmから無限までのパンフォーカスだ。撮影モードはFR100と同様プログラムAEのみで、露出補正が-2.0EV~+2.0EVの範囲(1/3EVステップ)となる。
コントローラー部とカメラ部の通信規格も、当然ながらFR100と同様。ただし、FR100(旧ファームウェア版)のそれと比べて、通信レスポンスがはるかに向上していると感じた。FR100では、カメラ部→コントローラー部と電源を入れるのがスムーズにペアリングさせるコツだったが、FR200ではコントローラー部から電源を入れても問題ない。セオリー通りにカメラから電源を入れれば、ほぼ待ち時間ゼロでペアリングされるのだ(FR100も最新のファームウェアを適用することで同等性能になると思われる)。
こういった、UIを変えることなく、さらに従来機と互換性を保ちながら基本性能のボトムアップを続ける開発姿勢は、ユーザーにとっても大変ありがたい。
FR200のセンサーは有効1,195万画素、1/2.3型の裏面照射型CMOSだ。FR100と同じように、IPX8/IPX6の防水性能とIP6X相当の防塵機能、1.3mの高さからの落下耐性と耐衝撃性能を持つ。最大撮影枚数はCIPA規格で約260枚、カメラ単体動作時は約265枚。全天周動画の実撮影時間は約1時間だが、1ファイルあたりの最長録画時間は29分の制限がある。
FR200でどんな画が撮れるのかといえば、基本はこのような全天周の円周魚眼画像だ。特筆すべきはその画質。