消費電力

ワットチェッカーを利用してシステム単位の消費電力も計測した。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMarkのFire Strike Ultraを実行した際の最大値をプロットしている。

14nm/16nm世代の方が押しなべて消費電力が低く、電力当たりの性能向上が見られる傾向にあるが、不可解なのがRX 470。カードの公称最大消費電力は120Wで、RX 480の150Wから30Wも低いのだが、今回のテストではRX 480を上回る消費電力となっている。

OCモデルということもあるのだが、それにしても消費電力が大きめといえる。それぞれで複数回テストしても傾向は変わらなかったのだが、さらなる検証が必要だ。

まとめと考察

さて、駆け足でRadeon RX 470のレビューをお届けしたが、ベンチマークテストの結果を見ると、おおむね最高画質設定/フルHDといった条件でもフレームレートが60fpsを超えていることが確認できた。

AMDは、"Polaris"とRadeon RXシリーズでは、ハイエンドではなく「100ドル~300ドルというレンジのグラフィックスカードを購入」「フルHD以下の解像度でゲームをプレイ」という大多数のユーザーに向けて製品を投入する意向を明らかにしているが、まさにRadeon RX 470はこうしたターゲットに最適なGPUといえる。

米国の参考価格が179ドルからで、国内では4GBモデルが税別2万円台前半からという値付けは割高に思えるが、それでもRadeon RX 480やGeForce GTX 1060が税込で3万円を超え、中には4万円近いものもあると考えると、手が出しやすい。

今回テストで利用したMSI製カードをはじめとして、ほかのメーカーでもグローバルでは4GBモデルと8GBモデルの両方を用意するところが多そうだ。現在、エントリーからミドルあたりのポジションがぽっかりとあいているので、価格が低い4GBモデルが相次いで投入されると、一定の支持を集めそうだ。