VR事業は大きなチャンス

ソニーのVR事業といえば、先日予約開始とほぼ同時に完売となった「PlayStation VR」が思い浮かぶ。2016年は「VR元年」といわれるほど盛り上がりをみせているが、それを牽引していくくらいの影響力を持つのがまさにPS VRだ。

ソニーのゲーム事業は好調で、2017年度の経営数値目標についても上方修正した。従来の、ディスクを販売するビジネスモデルからネットワークサービスへ移行し、コンテンツプラットフォームになったことが、PS4人気の理由のひとつ。今後も「ハードとしての進化を忘れず、プラットフォームとして」(平井氏)ユーザーを囲い込んでいく考えだ。ゲーム事業が今後数年間のソニーを引っ張っていくことはまちがいないだろう。

過去最速で普及拡大していくPS4。ゲーム事業は好調

2016年10月発売のPlayStation VR

そんな重要なゲーム分野において、今もっとも注目を集めているのがVR。そして、そのVRはソニーの強みを存分に発揮できるジャンルでもありそうだ。平井氏は「まずはゲームから参入するが、カメラやコンテンツ制作といったノンゲームでもソニーは資産を持っており、これはアドバンテージ。ソニーグループ全体として、VRに取り組みたい」と意欲的な姿勢をみせる。

ソニー 執行役 副社長 R&Dプラットフォーム エナジー事業 ストレージメディア事業担当の鈴木智行氏は「PS VRはヘッドマウントディスプレイ(HMD)型だが、360度の多視点映像を大画面のもの、ドーム型のものへ展開することも考えている。映像の撮影、コンテンツ制作、データ伝送、出力まで、ソニーが培ってきた技術を生かせる」と述べた。たしかに、これまでの技術を幅広く生かせる分野ではありそうだ。