パナソニックは14日、同社のビジネスモバイル事業戦略を説明する記者会見を開き、さらに同社の生産拠点である神戸工場の様子を公開した。また、頑丈タブレットであるTOUGHPAD(タフパッド)の新製品として、Android搭載の10.1型タブレット「FZ-A2」を発表した。

Android搭載の10.1型タブレット「FZ-A2」

パナソニック AVCネットワークス社 常務 ビジネスモバイル事業担当兼ITプロダクツ事業部長の坂元寛明氏は、「2016年度は、日本におけるTOUGHBOOKおよびTOUGHPADの販売強化、米国における販売体制強化、モノづくり強化の3点に取り組む」とし、2016年度には、TOUGHBOOKおよびTOUGHPADで国内7万台の出荷を計画。国内向け堅牢PCおよびタブレットにおいて、2019年度までに年平均成長率20%での販売台数拡大を見込む。

パナソニック AVCネットワークス社 常務 ビジネスモバイル事業担当兼ITプロダクツ事業部長の坂元寛明氏

国内におけるOUGHBOOKおよびTOUGHPADの成長予測

「これまでのTOUGHシリーズは、堅牢分野で高い実績がありながらも、約3kgという重量のため日本では受け入れられなかった。だが、先頃発表したクラムシェル型のCF-20は、1.7kgであり、新たに発表したTOUGHPADは1kgを切るようになる。日本のフィールドワーカーが堅牢PCおよび堅牢タブレットが使える時代が来た」(坂元氏)。現在、堅牢モバイルの出荷台数は、海外が40万台、国内が4万台。9対1の構成比だが、「今後3~4年で7対3の比率にしたい」と述べた。

また、米国市場における販売体制強化では、PCと監視カメラ、ディスプレイなどを組み合わせた複品提案に力を注いだ結果、TOUGHBOOKなどの特性を生かした突き刺さった提案が疎かになったという。この反省を踏まえ、2016年は頑丈モバイルに特化した営業およびSE専任体制を再構築し、モバイルワーカーを対象にしたターゲットの絞り込みを進める。「米国は堅牢モバイルで最大の市場。2016年度はこれを復活させる自信がある」(坂元氏)と、同事業の業績回復に強気の姿勢をみせた。