オリーブオイルにアマニ油(※)、ココナッツオイルなどなど、「健康に良い」とされるオイル(食用油)が空前のブームとなっている。オイルというと「太る」「不健康」として拒否反応を示されることが多かったのに、最近では逆にポジティブな印象が広まってきた。
※アマニ油:亜麻の種子から絞った油。α-リノレン酸を豊富に含む。

その火付け役ともいえるのが、必須脂肪酸(※)のひとつ「α-リノレン酸」、通称「オメガ3」(n-3系脂肪酸)だ。研究が進み、積極的に摂取したほうがよいとわかると(もちろん何事も摂り過ぎはNG)、各種メディアにさかんに取り上げられるようになった。そうして、消費者のオイルに対する印象も変化してきたというわけだ。
※必須脂肪酸:生きていくうえで欠かせない成分だが、体内では作れず、食品から摂らなくてはならない油の成分の総称。

6月22日までの期間限定でオープンする「オイル de ヘルシーカフェ」。青山を選んだのは、情報感度の高い人が多く集まるから、とのこと。フィットネスクラブがあったり、ジョギングする人が多かったり、健康に気づかっているターゲットへアプローチできるという理由(写真左)。オープニングイベントには、名誉総料理長を務めるタレントの山口もえさんも登場(写真右)

栄養素をプラスするという新機軸のオイル

オイルに注目が集まるなか、J-オイルミルズが2016年4月に発売したのが「AJINOMOTO 毎日栄養オイル」(以下、毎日栄養オイル)だ。「健康のためにオイルを摂る」というブームに乗って、脂溶性栄養素などを配合したオイルを提案する。オリーブにせよアマニにせよ、最近話題のオイルは素材で訴求するものがほとんどだが、毎日栄養オイルでは配合された栄養素を打ち出しているのが特徴。骨の形成を助ける脂溶性ビタミンを配合した「AJINOMOTO 毎日栄養オイル ビタミンK2 & ビタミンD」と、循環器系(血液や血管)や脳の健康維持に役立つと期待されている必須脂肪酸を配合した「AJINOMOTO 毎日栄養オイル DHA & EPA」の2種類を用意する。どんな効果が期待できるのか、素材推しのものに比べるとわかりやすい。

J-オイルミルズ 代表取締役社長 八馬史尚氏(右)と、J-オイルミルズ 油脂製品開発部 花澤和巳氏(左)

まずはこの新機軸のオイルを体験してもらうために、と6月9日から22日までの2週間限定で、東京・青山にある「Royal Garden Cafe 青山」とコラボレーションした「オイル de ヘルシーカフェ」をオープン。毎日栄養オイルを使った特別メニュー10品を提供する。オープニング記者発表会に登壇したJ-オイルミルズ 代表取締役社長 八馬史尚氏は「健康に気づかう人が増えてきている。不足しがちな栄養素を効率的に補える毎日栄養オイルは、いわば食にサプリメントの要素を取り入れたハイブリッドな存在。オイルを通じて新たな価値を提供していきたい」と挨拶した。

J-オイルミルズ 油脂製品開発部 花澤和巳氏によれば、新機軸を打ち出したことで取引先からの反応も上々。4月の発売からまだあまり日が経っていないため、販売数量などの詳細はまだわからないが、健康に不安を抱えた高齢の女性を中心に支持されている、と手応えはあるようだ。

2種類の毎日栄養オイル(写真左)と、オイル de ヘルシーカフェで提供されるメニューたち(写真右)