戻った顧客に何を提示できるか

マクドナルドが今年4月から進めているバーガーラブ路線の新商品は総じて好評な様子。第1弾の「グランドビッグマック」は、一時的に販売を規制しなければならないほど好調な売れ行きだった。王道の味をうたった第2弾「クラブハウスバーガー」は、好評につき当初予定よりも販売期間を短縮したほどだったという。クラブハウスバーガーの販売期間短縮により、前倒しで店頭に登場した第3弾「ロコモコバーガー」は、昨年も販売した人気商品の再販だ。

今年に入って回復基調に転じたマクドナルドの業績は、バーガーラブ路線も奏功して堅調に推移。裏メニューで好調をキープできるか

業績が低迷していたマクドナルドだが、今年に入ってからは売上・客数ともに前年同期比を上回る水準をキープしている。好調を続けている要因の1つがバーガーラブ路線の成功であることは間違いなさそうだ。戻り始めた顧客を、いかにしてつなぎとめるかがマクドナルドの次なる課題。ハンバーガーにカスタマイズ性を持たせることは、課題の解決策として有効な一手となるかもしれない。

マックで発見する「自分だけの味」

サブウェイやスターバックスなど、商品に自分好みのアレンジを加えられる店は、顧客ごとに「自分だけの味」を見つけられるのが魅力の1つといえる。自分だけの味を見つけた顧客は、その店に親近感を抱き、リピーターとして定着する可能性がある。

客足が戻りつつあるタイミングにあわせて、ハンバーガーのカスタマイズ性を前面に打ち出したキャンペーンを始めるマクドナルド。いつでも変わらぬ味はマクドナルドの特徴でもあったが、トッピングが可能となれば色々と試してみたいと考える顧客もいるだろう。なかにはマクドナルドで自分だけの味に出会える人もいるはずだ。トッピングの種類を増やしたり、販売期間を延ばしたりする選択肢については、「お客様の反応をみて」(若菜氏)考えるという同社だが、定番メニューをアレンジする楽しみを上手く伝えることができれば、戻りつつある顧客を再び常連客として定着させることも夢ではないだろう。