結婚相手紹介サービス業を営む事業者が賛同し、一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会(以下、JMIC)が発足した。2025年までに年間成婚者を現在の2倍まで引き上げるのが目標。もはや社会問題として取り上げられる未婚・晩婚化だが、JMICはどのようなビジョンを持っているのだろうか。

参加団体はIBJ、エヌリンク、オーネット、結婚情報センター(東京法人)、結婚情報センター(名古屋法人)、シニアーライフ、JPワークス、一般社団法人JBA(日本結婚相談協会)、誠心、全国仲人連合会、ダイナミックス、ツヴァイ、トータルマリアージュサポート、日本健康管理、日本仲人連盟、日本ブライダル連盟、パートナーエージェント、プライムマリッジ、リクルートマーケティングパートナーズの全18ブランド19団体(五十音順)。理事長はツヴァイ 代表取締役社長 縣厚伸(あがたあつのぶ)氏、副理事長はシニアーライフ 代表取締役 升村要(ますむらかなめ)氏が務める。

一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会(JMIC)が発足

JMICの使命とは

JMIC理事長を務めるツヴァイ 代表取締役社長 縣厚伸氏

JMIC設立の背景には、婚姻件数の急激な減少がある。

2010年と少し古いデータではあるものの、「第14回出生動向基本調査(独身者調査)」では、未婚男女のうち87.8%が「いずれ結婚するつもり」と回答。結婚への意向がある人が多数を占めるにもかかわらず、JMICによれば、日本国内の婚姻件数は2000年で79万8,000件、2010年で70万件、2015年で63万5,000件と急速に減少している。生涯未婚率、25~39歳の未婚率、結婚年齢が高くなる晩婚率はいずれも上昇しており、きわめて単純にいえば「結婚したくてもできない人」が増えているのだ。

未婚男女の結婚しない理由は、「適切な相手に巡り会わない」が最多。JMIC 理事長の縣氏は「こういった状況において、独身男女の婚活をサポートする結婚相手紹介サービスの社会的役割は高まりつつある。サービスの信頼性向上を図り、利用者を増やしていくことが使命」とJMIC設立の目的を説明した。

男女どの年代でも未婚率は上昇傾向にある。平均初婚年齢も年々高くなっており、それに合わせて平均出生時年齢も上昇

未婚者の約9割が「いずれ結婚するつもり」と回答。「適切な相手に巡り会わない」のが結婚しない理由として最多なので、それを解決するようなサービスはニーズが高いと思われる

婚姻数は減っても紹介サービスは好調

婚姻率が減少傾向にあるのに対し、紹介サービスによる成婚数は増加。JMIC加盟団体が提供するサービス利用者間の「結婚による退会届出人数」は、2013年が年間約21,000人だったのに対し、2015年は年間約23,100人。2年間で約10%の伸びを見せている。ちなみに、2016年1月1日時点での登録会員数合計は306,509人だ(複数サービスの利用者は重複してカウント)。

国内の婚姻数は減少しているにもかかわらず、JMIC加盟団体登録会員同士の成婚退会者数は2年で約10%の伸び

2年間で10%増という成果に対し、縣氏も升村氏も「各社の努力のたまもの」と語る。リクルートブライダル総研が2015年11月に発表した「恋愛・婚活・結婚調査2015」の結果によれば、20代の独身男性のうち、交際経験のない人は41.9%。縣氏は「付き合い方から教えてくれるようなセミナーやコンサルティングなどの取り組みを各社が行っている。そういった工夫が会員数、成婚数の増加につながっているのでは」と分析している。

升村氏は「成婚率を上げるのはなかなか難しい」としたうえで、「(結婚相手紹介サービスは)価格競争からサービスの中身で競争するようになってきた。各社がより良いサービスを提供しようと、従業員のスキルアップ研修などを行った結果が成婚というかたちで表れているのでは」と指摘している。