タグ・ホイヤー「コネクテッド」

タグ・ホイヤーは、スマートウオッチ「コネクテッド」(17万円・発売中)を強力にアピール。ブース前には実際に操作できる試用機をずらりと用意し、けっこうな本数があるにも関わらず、並ばなければ触れないほどの人気ぶりだった。

タッチ&トライコーナーは見ての通りの大人気

ディスプレイで操作説明を参照することもできた(日本語は非対応)

ケースはグレード2チタン製で、非常に軽快。重量はわずか52gだ。直径46mmのケースは、一般的な日本人男性の腕にはやや大きめに見えるだろうか。ただ、ケース厚が12.8mmに抑えられているので、過剰なボリュームは感じない。風防はサファイアクリスタルで、IP67等級の防水/防塵性を持つ。モニター部は1.5インチの半透過型LTPS液晶ディスプレイで、スクリーン解像度は360×360ドット(240ppi)だ。本体には1GBのメインメモリと4GBのストレージを搭載する。

内蔵センサーはジャイロスコープ、傾き検出センサー、マイク、触覚エンジンだ。これらを利用した機能を手軽に利用でき、専用アプリとして「インサイダーズ」(ライフスタイル)、「ゴルフショット プロ」(ゴルフ)、「レースクロノ プロ」(モーターレース)、「ビューレンジャーズ」(トレイリング)が、いずれも無料で用意されている。

ケースは意外なほど薄い。ツノ足のシャープな直線とエッジにも注目

タグ・ホイヤー コネクテッドのダイヤルは、すべて同社アナログウオッチ「カレラ」シリーズのデザインコードに従って作られている。しかも、クロノグラフ、3針、GMTといった3種類のカレラデザインのダイヤルを内蔵し、各ダイヤルにブラック、ディープブルー、パールホワイトのバリエーションを用意しているのだ。本物のダイヤルと同様に、針と美しいサンバーストが織りなす陰影も忠実に再現されている。つまり、9種類のカレラダイヤルを気分次第で切り替えて楽しめるのだ。

クロノグラフ(パールホワイト)のダイヤル

クロノグラフ(ディープブルー)のダイヤル

さらにユニークなのが、2年間の保証が切れた後、タグ・ホイヤー コネクテッドのオーナーは、コネクテッド ウオッチを1,500米ドルでスペシャルエディションのカレラ ウオッチにアップグレードできること。このカレラ ウオッチは、タグ・ホイヤー コネクテッドのデザインおよび素材で作られた3針時計で、ムーブメントは自動巻きだ。

どれだけ丁寧に扱っていても、スマートフォンのOSといった動作環境の変化に付いて行けず、やがて性能のすべてを発揮できなくならざるを得ないデジタル製品。その点で、このサービスはタグ・ホイヤーの時計メーカーとしての矜持といえるだろう。

たとえタグ・ホイヤー コネクテッドをもうひとつ買えてしまうほどの追加料金とはいえ、この価格で新品のカレラが手に入ると思えば、きわめて良心的だと思う。その頃にはタグ・ホイヤー コネクテッドの新型が出ている可能性もあるが……。アップグレードサービスについては、タグ・ホイヤー コネクテッドを取り扱う世界中のストア、またはサービスセンターで対応する予定とのことだ。

タグ・ホイヤー コネクテッドのバッテリーは410mAhで、1回の充電で最低25時間の通常使用が可能。加硫加工ラバーストラップは、グリーン、ブルー、オレンジ、レッド、ホワイト、ブラック、イエローの7色をラインナップ。すべてグレード2チタン製フォールディングバックルとセーフティプッシュボタン付きだ。

これらに加え、新シリーズとしてレザーストラップモデルとチタンブレスレットモデルが登場する。こちらの発売は2016年5月を予定、チタンブレスレットモデルの価格は19万円。

さすがタグ・ホイヤーと唸らせられる、しなやかなラバーストラップ

新製品のチタンブレスレットモデル。サイズからは想像できない、圧倒的に軽快な着け心地