メルコグループはどんな答えを提示するのか
そこでシマダヤに白羽の矢が立ったというわけだ。
バッファローの創業者であり、現在メルコホールディングスの代表取締役会長を務める牧誠氏の実父がシマダヤ創業者の牧清雄氏。そして、シマダヤの会長である牧実氏は牧清雄氏の息子であり、牧誠氏の弟である。少々複雑だが、こういったつながりで、実証実験を共同で行っていくことになった。
この関係性があったのは偶然だが、メルコホールディングスはシマダヤを「めん製造業界のリーディングカンパニー」と評価。新たなシステムを作り上げていくうえでのパートナーとして、総合的にふさわしかったのだろう。
国民生活センターが2015年1月に発表した「食品の異物混入に関する相談の概要」によれば、食品の異物混入に関する相談は2009年度以降、累積で約16,000件。「異物混入を100%なくす」のはなかなか難しく、不可能だと指摘する人もいる。それもそのはず、これまで起こった異物混入事件を振り返ってみても、そもそも原因を特定できていないことが多い。
現段階では、メルコグループがどんな知見を生かして「食の安全」へ貢献していくのか、詳細は明らかでない。しかし、「製造プロセスの監視・管理システム」を手掛けるならば、この原因特定に寄与するような仕組みを提示してくれるのでは、と個人的には期待している。