説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「もしかして」に表示される相手、どうしてわかったの?』という質問に答えます。

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「連絡先」に登録されていない人物から着信があった場合、電話番号の下に「もしかして: ○○△△」と名前が表示されることがあります。「もしかして」と前置きされて断定ではありませんが、正解率はかなりのもので、ほぼ確実に○○△△からの電話と考えていいでしょう。質問の趣旨は。なぜ○○△△の電話番号とわかったのか仕組みが知りたい、ということですね。

その理由は「データベース化」にあります。iOSと同じ技術が使われることが多いOS Xに付属の『メール』では、受信したメッセージを分析しデータベースに保存する「sqlite3」というプログラムが稼働しており、送信者の氏名とメールアドレスのほか、メッセージ上の署名に含まれる形で記載された電話番号などの情報もデータベースに蓄積されています。OS XほどiOSの内部構造の分析は進められていませんが、基本的には同じ仕組みが採用されていると考えられます。

iPhoneの『電話』アプリに着信があった場合、『連絡先』アプリのデータを調べ、該当者がいるかどうかをチェックします。存在しない場合には、その電話番号がデータベースに登録された送信者であるか調べ、該当者がいる場合には「もしかして」に表示するという仕組みです。

その証拠に、「もしかして」が表示された着信履歴の詳細画面を見ると、“メールでの検索結果”欄が設けられています。そこには、電話をかけてきた人物のメールアドレスが表示されていることでしょう。

逆に言えば、『メール』で電話番号を検索したときヒットしない人物から着信があった場合、「もしかして」は表示されません。あくまで検索結果がベースのため、法人の代表電話のように複数の人物が署名に使っている電話番号の場合、最初にヒットした人物が「もしかして」に表示されることになります。

「もしかして」が表示された着信履歴の詳細画面を見ると、その電話番号を「メール」で検索した様子がうかがえます