ファンクションボタンや十字キーなどへの、機能割り当てカスタマイズも格段にしやすい。任意のボタンを長押しするとカスタマイズ画面が表示されるので、希望する機能を選ぶだけ。重要あるいは不要な機能は被写体や撮影環境によって異なるので、使いやすい自分専用機にどんどんカスタマイズしてしまおう。
ボタンによっては「長押し」が固定機能の設定やショートカットに割り振られていて、これも使いやすい。たとえば、「Q」ボタンを長押しすれば、クイック設定画面に表示する項目の内容と並び順を変更できるし、再生ボタンを長押しすると、記録に用いるメモリカードスロットを1から2へ、2から1へと切り替えられる。そうそう、X-Pro2のメモリーカードスロットはSDメモリーカードのダブルスロットなのだ。これもフラッグシップ機に相応しい装備。
一般的なデジタルカメラと一線を画すアナログなリングやダイヤルでの操作は、いわば、Xシリーズのアイデンティティだった。しかし、それは見た目にわかりやすく、電源が入っていなくても操作できるという長所とともに、操作系が集中していないのでとっさの操作が難しい、ファインダーを覗きながら操作しにくいといった短所もある。
X-Pro2が素晴らしいのは、その当初のアイデンティティにこだわらず、一般的なデジタルカメラの操作系を融合することで、アナログ操作とデジタル操作、両方のいいとこ取りをしながら上手に進化したことだ。前編で触れたファインダーの進化も、この方程式に当てはまるだろう。